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『君という星華』
幼少時代に比べ随分と厚みの無くなった液晶画面
それから流れる天気予報の声を聞きながら手早く朝の支度を済ませ、玄関へ向かいかけては引き戻り「外出される方は、念のため傘を」そんな言葉をボタン一つで遮って
時計を見れば、いつもの時間
混み合う車輪の上から眺める商店街の街並みを彩る様に灯籠飾りや提灯が至る所で揺れている
笹を携えた子どもたちが大人の後を追っているのが目に入り、同時に流れた「本日は、七夕祭りのため」のアナウンス
見渡せば、チラホラと浴衣姿
「もう七月か」呟く代わりに短い溜め息一つを漏らし、何処か浮き立つ車内を後にして「せめて定時に」と密かに意気込み重い硝子扉で意識を変えたのは、数時間前のこと
終業直前、不躾に唸った使い古しのスマートフォン
何事かと開いた通知の揶揄うような「待ってるぞ?(笑)」に添付されていた浴衣姿に緩む口元を頬杖で誤魔化して
重い硝子扉を開けば、今朝の自分が恨まれる夕立に
雨宿りに寄った雑貨店
なんとなく目に留まった季節雑貨に君に似合いそうな名も知らない華を模したブローチを見付けた
レジにあった花言葉一覧の写真の中に見付けた
物静かで儚げなのに凛と強い、そんな君に似合いの華は月下美人と云うそうだ
夜毎の戯れ
雨の夜はきみのこと想うよ
濡れるのが何より嫌だと
震えながら言ったこと
覚えているよ、今も
雨の音が聞こえる
闇のせいで何も
見えなくなる
窓の外へと
想いだけ
届けと
祈る
夜
2018/07/07
────────
止まない不安を凌ぐために
僅かな灯りの下でペンを
走らせる音、それさえ
雨音に似ていました
せめて思いだけは
届くことを願い
切手を貼った
それなのに
水性故に
宛名は
消え
涙
2018/07/08
────────
窓
から
見える
あの街灯
点滅してる
きみの言葉が
消えてしまった
あの夜からずっと
確かめたいよ、心を
2018/07/12
────────
無邪気さが
焦れったい夜でした
雨はわたしを
たしなめるように降り続き
紫陽花が青く染まったのです
これは甘雨だと
花が言うので
飲んでみたけど
とても苦くて驚きました
すぐにでも
飛んでいきたい気持ちを
雨が上がるまで
耐えていました
2018/07/12
────────
滲んだブルーブラックの
インクが空を染めたなら
きみを探しに行くよ
今宵 闇を纏うのは
きみのこころ確かめるため
静寂の中で二人きり
さあ 聞かせて
きみの声
指先 見つめ
身じろぎもせず
待っているよ
2018/07/14
────────
大事な文書を
暗号化して
鍵を掛けて
満月の夜は
衛星通信と致しましょう
大きなパラボラアンテナに
かかる雲は無く
今宵は快晴
インクブルーの空
明滅する信号を
正しく繋いで
読み解いて下さい
解凍するには
じゅうぶんなほど
暑い夜です
2018/07/15
────────
ふたりきりで
かたく鍵を掛けて
昼夜交わした言葉
覚えていますか
強い日差しを浴び
砂塵にまみれたアンテナ
少しずつ太陽雑音が
言葉を奪っていったけれど
きみが見ていたのは
ただの幻影ですか
ぼくが愛していたのは
ただの信号ですか
2018/07/30
────────
待っていたはずの雨上がり
賑やかになる街並み
喧騒、ノイズに
絡め取られ混線する光の糸
そのどれか、
あなたに繋がる一本を手繰り寄せるほど
わだかまり、足踏みする意図が
玉留めを作る
丸めた文が
机の端で発光している
まぼろしのように
けれど確かに
(此処に居ます)
2018/07/31
────────
この手を伸ばしても
確かめられない存在を
もどかしく感じているのか
それとも近づきすぎて
嫌われてしまうのが怖いのか
言葉だけではもう
繋ぎとめられない
強まる雨音に
燻りだす埋み火をどうか
どうか叱ってください
(確かめたい)
2018/07/05
────────
小路の紫陽花が
今年も咲きました
密やかに伸ばした枝の
閉じている花芽にも
夏の陽射しや
冬の寒さはひとしく訪れ
繰り返す明暗に
埋み火の夢を見て
懐かしい雨音の鳴る方へ
季節をひらけば
約束が無くても
其処できっと会えますね
2018/07/08
────────
一雨ごとに季節は進み
気がつけばこうしてまた
afterglow × 杜琴乃
2018–2020 往復書簡形式による連詩
つきなみ怪談 路地の声
休日に隣町まで散歩に出た時のことだ。古本屋を何軒かまわり、買い過ぎた本の重みで肩掛けの鞄が少し重くなっていた。そろそろどこかで夕飯でも食べようかと住宅地へ入った。近道になる細い道で、垣根の躑躅が夕陽に照らされていた。まだ咲き始め、といった具合だった。
その道の真ん中で、小学生くらいの男の子が四つん這いになっていた。何かを探しているらしい。
「どうしたの」
声を掛けると、
「コンタクトを落としたの」
と言った。坊主頭のこれといって特徴のない子だった。少しおかしいとは思ったが、一緒に探すことにした。
十分ほど経った頃だった。
ふと顔を上げると、垣根の躑躅が満開になっていた。さっきまで咲いていなかった枝まで、白い花で埋まっている。
見間違えたのかと思った。
男の子は、
「ないなぁ」
と呟きながら、まだ地面を探している。
「ないなぁ」
少しして、また聞こえる。
「ないなぁ」
気付くと、その声だけが路地じゅうに残っていた。
金貨と目薬(2)
<3人の関係➊>
キャバクラで働く深水 琴李(23歳)は際立って美人とは言えなかったが、
スタイルの良さと頭の回転の良さで毎月の売り上げランキングでベスト3には入っていた。
深水が売り上げナンバー1に拘らないのは深水自身が夜の世界に対して執着が無かったからだった。
昼間のファッション雑誌の契約モデルとしての仕事を充実させて、
モデル業界で注目されて上手くすれば芸能界への進出を考えていたからだった。
予定していたモデルの子が事件を起こし、雑誌の大き目なイベント撮影が深水へと回って来たので勝負所と思い
店の常連客から貰った紹介状を使い会員制のスポーツジムへ行く事に決めた。
有名ともあって入会費と年会費だけでも百万を超えた。
しかし夢への投資と思い躊躇う事なく入会し受付でトレーニング・メニューの相談へと進んだ
夜の酒を抜くとは言えなくて不規則な生活からくる体のぬくみ取りとウエストの引き締めを中心としたエクササイズを頼んだ。
何人かのトレナーが交代でメニューに従いトレーニングを進めてくれた。
トレーニングの甲斐もあってイベントも好評に終わり少しずつ昼の仕事も増え夜と昼の仕事の割合差が無くなり、
ジムへ行く頻度が増えだした時に「僕が専属トレナーに成っても良いですか?」と声を掛けて来たのが
武内 達也(25歳)だった。
「良いですけど、追加料金とかが高いんじゃないですか?」の深水の言葉に「追加料金とかは頂きません。
深水様の活動の手助けをしたくて御声を掛けさせて頂きました。」と爽やかな笑顔と共にプレゼンして来た。
要するに私を雑誌で見たフアンの一人だなと深水は思った。
「良いですよ。追加料金も不要で私の事を応援して下さる人なら歓迎です。」と
自分の融通が利くし内緒で特別なトレーニングもして貰えるかもと下心満々で承諾した。
深水の思惑通りにジムでのエクササイズは快適なものとなった。
トレーニングの効果かスタイルも以前より磨きがかかり昼間でも時々だが脚光を浴びる様になり、
テレビにこそ出ないけれど何社かの大手ファッション雑誌との長期契約を貰える様にまでになり
昼の仕事だけで十分生活が出来る様になっていた。
武内とも二人で食事をする仲になり自然と夜を共に過ごし朝を迎える日も有った。
しかし、深水は夜の仕事を量は減らしたとは言え辞める事はしなかった。
何故なら店に出る日が少ない事からレア度が高いと客からの指名度が高まったからだ。
そんな深水を我先に指名すると息巻く客が占める店内で、
初めての来店客にあてがわれるシステムで女の子が自動的に入れ替わるお試しタイム中で
静かに相槌を打ちながら静かに飲んでいる男が深水の目を引いた。
それが加賀見 陵介(25歳)だった。
一目見ただけで仕立てが良いと解るスーツを着こなしクールな顔で女の子を相手する様子は、
どちらが客なのかと思う程に店の女の子達が浮かれていた。
フロアーボーイに耳打ちして指名を数件キャンセルし加賀見のヘルプにセッティングさせた。
「深水 琴李と言います。」座るなり名刺を渡し「御名刺を御持ちでしたら頂けますか?」と
加賀見に喋る間を与えず名刺を要求した。
「加賀見 俊介です。」と言って名刺を差し出す俊介の手を優しく包み込む様にして名刺を受け取った。
「凄い、イラストレーターさんなのですか?
私も少しだけですが雑誌とかでメディアに顔を出しているので興味が有ります。
良ければ私を今夜、加賀見様の横に座らせて貰えないでしょうか?」琴李の言葉に頷くのを見て
フロアーボーイに指名が入ったと合図を送る。
加賀見の必要情報と自分のアピールをして深々と頭を下げてから太客の指名をこなし深水は今夜の仕事を終えた。
~つづく~
はれる
のどのいたみは
じわじわひろがり
みみたぶのした
くびもとまで
おちてきて
ひっ、さしぶりの
たかいねつがでて
ぽかぽかではぁはぁいうしか
なくなった
「熱がでたら冷やすしかないよ」
きのうまではのどのため
あたたかいのみものを
えらんでいたのに
アイス枕をあたまにしいて
ヒエピタをくびもとに
「うわあ、やった!
はれた!プールができる」
おきたこどもがはしゃいでいる
のどのいたみは じわじわと
わたしの みみたぶのしたを
はらして
ふわふわ ふらふら
「おかあさん、
からだはね、ひやしすぎたら
おなかいたくなっちゃうよ」
プールバッグをもったこが
わたしのかおをのぞきこむ
そとは ぴかぴかに
はれ
わたしにはにくいくらいで
こどもは はしゃぎにこにこで
はれる はれている
ねつをもつところにてをおいて
すぐにさがるだろう たかいねつに
ぐったりしながら
あつくなるだろう きんようびに
はしりだしていく せなかを
みおくっている
#シンガポールパルクールシニア
あたりはふるえ続けていた。そしてあなたは、手縫いのように丁寧に畳んで、爪がまたよごれていた。この、ことばで。あるいは、そのことばで。どのことばも少ない会話のほとんどが詩であるように、あなたはその文字に没頭していた。それからすぐ拳のなかでおしつぶして、りんごやりんご以外の果実に囲まれるような、夕飯には、必ず帰れよ。それは、リボン。でしょう?、だってかじかんだ晩につけられた、透けるような縫い目の贈り物を畳む、その手が、ささやくんだもん!運び込んだ砂は、小さな丘のお腹を真っ黒にする、のけぞったままはいつくばると紐のようにのびて、歩きつづけた、この脚を、なくしてしまう。踵もつま先もあるので、きみがその気なら、と、声をかけるこの語を。あなたへの文句とする。でもときおりなにかをさがすように弧をえがいてただようものがあった、それが手のなかで、さりさりと砂のことばのように語る。
☆
どこにも出掛けないから髪の毛まで痛くなったシニアここはシンガポールではないからパルクールは誰もやってない、開いた口がふさがらないのは私だって、ずっと一緒だよ。
青の檻
深海に咲き乱れる
私達は、そう
根を同じくした花
だった
ゆるいうねりに乗じて
精一杯、身を引き上げようとして
きみはいつも足掻いていた
足に絡まる根が
繋ぎとめていたけれど
青い薄闇の中で生まれ死ぬ
きみはそれが
囚人と変わらないと言った
こんなのは間違っていると
生きていない、と
海が終わる場所で
波のセンテンスを見て
太陽の直射を、全身に
そして
この足で
走るのだ、と
それが
生きる、ということだと
絡まる根は足枷(もがいて)
薄闇は目隠し(とざされて)
深海は檻(はしれない)
ほそい足に巻きつく
幾本もの根を引き千切って
きみは
脱獄した
青の揺籃
ゆるいうねりの中で
私達はひとり往ったきみのことを
時々密やかに話し合う
その後の行方を
忌々しさとわずかな憧憬を持って
ここが監獄ならば
私達はどんな罪科を負ってここにあるのか
気づけば足を根に絡まれ
そしてそのまま死ぬ
それのどこが罪なのか
(生きていない)
(間違っている)
いつかのきみの言葉が閃く
(囚人)
母なる深海
私達を捕えて離さない
私達は母のものであり
ああ
母は、私達の全てでは、ない
私は
足を締め付ける根を一本引っ張った
取れない
渾身の力を込めて引っ張った
千切れた
続けてもう一本
更にもう一本
(海が終わる場所)
そこで何をしようとかは考えていない
この揺籃を離れてどう生きたらいいのかも分からない
けれど
きみが話した太陽の光を
私も感じてみたいのだと
この足で走りたいのだと
ここは優しい安らぎの青の檻
けれど
(生きていない)
自力では何ひとつ生きていない
最後の根を離して
私は水を掻いた
海の終わる場所を目指して
♡
ハートをね、あかく染めるんだ。
だれかのことばが
きれいだったから
すてきだったから
あたたかかったから
いたみだったから
そっと、あかく染めるしゅんかんに
このきもちが届けばいいなって
ゆびさきから小さく願って
ハートに触れる。
折りたたんで戻す
ショルダーバッグから
パスケースを取り出した
紙切れに書かれた短い小説
まったく面白くない
絵はうまいけど
文章は下手
ひとりで笑った
パスケースに
紙切れを戻した
きっと読む人は
もういない
それでも
入っていたときと
同じように戻す
文字を隠すように
折りたたんで
もう肩にかかることのない
ショルダーバッグに触れた
わたし
愛すべきご先祖様
産めるあなたでおめでとうと
食卓の赤飯が呪った夜を
いまもけっして許しはしない
生きるとは少しずつ死んでいくこと
非道い愛されかたをした人たちが
ほらみんな自分の葬列に並んでいる
血縁 普通 人間のための平和
あまりにばかげた
それらのどこにもいないなら
きっとどこへでも行けるだろう
誰の奴隷にだってなれるだろう
あらゆる家族写真の外側で
やさしさに似た言葉を聞き流しながら
どの国の未来としても
育てられるつもりはなかった
令嬢 売女 野良犬 詩人
形而上学者 マゾヒスト
そのすべてになってわたしは死のう
金貨と目薬(1)
<ゲームの始まり>
某月某日の夜8時半を過ぎた頃、
それほど高くない山の中腹を少し過ぎた所を2台の車が脇道へとそれて行き、
道が獣道へと変わろうかとする手前に建つ小屋の前で止まった。
先に着いた車の運転席から両サイドを刈り上げて有名ブランドのスポーツウエアーを
着こなしている体格の良い男、会員制トレーニングジムでパーソナルトレナーをしている
武内 達也(タケウチ タツヤ)がスーパーのレジ袋を提げて降り足早に小屋の入口へと向かった。
小屋のドアに鍵が掛かっているのに気が付き
「ドアに鍵がかかっているぞ。琴李、鍵は誰が持っているんだ?」と
乗って来た車の方に向かって叫んだ。
武内の声に助手席からパーティの帰りかと思わせる程の
赤い派手なドレスに毛皮のハーフコートを肩から掛けて女が降りて来た。
武内達也に呼ばれたモデル体型の女は深水 琴李(フカミ コトリ)と言い、
彼女は夜キャバクラで働きながら昼間はファッション雑誌のモデルとして活躍していた。
「小屋の鍵は陵介が持っているんじゃないの?この小屋は陵介の知り合いの山小屋なのでしょ。」
少し遅れて着いた車から降り際に曇り一つ無い革靴に履き替え、
びしっとスーツに身を固め長髪を後ろで束ね少し神経質そうな顔に眼鏡をかけた男が降りて来た。
それが深水の言っている加賀見 陵介(カガミ リョウスケ)だった。
彼はフリーのイラストレーターで、それなりに有名で有ったが羽振りが良いのは
趣味で始めた投資が順調な事が大きいな要因だとも言える。
仕事も投資も部屋から出ずに済む事から両立出来ている事で財力と知名度を保てているのだろう。
「慌てる必要などないだろ達也、時間は有るのだから琴李のエスコートをしてやってくれ、
小屋の前は舗装されて無いから歩き辛いからな。」の加賀見の言葉に
武内は無言で車の方へと戻り深水を軽々と御姫様抱っこして小屋へと歩き出した。
加賀見も追いつき小屋の鍵を開けて部屋の明かりを付けた。
部屋の中で武内の腕から解放された深水が
「思ったより広くて綺麗じゃない。」と武内への礼でなく部屋の感想を言いながら
椅子が汚れてないかと確かめていた。
それを見て加賀見が
「定期的に使っているしホームクリーニング契約もしているらしい。」の
加賀見の言葉を聞いて深水は椅子に腰を下ろした。
「琴李、コートをクローゼットにかけてやるよ。」と深水の肩から武内がコートを取った。
クローゼットには加賀見のスーツの上着が掛かっていた。
武内は深水のコートと自分の上着をクローゼットに掛けて
スーパーのレジ袋を持って二人が座って居るテーブルへと向かった。
武内は無言のままでレジ袋から10個入りの紙コップと
350mlのペットボトルの水を出した。
「本気でやる積りなの?」と深水が少しダルそうに言った。
「まあな、達也の気も済まないだろうし、此処まで来たら引き返せないだろ達也?」と
挑発気味な加賀見の言葉に
「気が済まないのは陵介も同じだろ?
男としてのプライドが掛かっているんだからな。」
加賀見は、呆れ顔の深水をチラ見してから
「解った、勝負しよう。勝つても負けても恨みっこなしだからな!」
その言葉を聞いて武内が紙コップを一個出してペットボトルの水を
コップの3分の2程入れた。
「じれったいわね」と言って
深水がコップに水を継ぎ足しコップの9分目を少し超える所までにした。
それを見て加賀見が確認を取る様にゲームのルールを言い始めた。
「水の入ったコップに僕が用意した金貨を順番に入れてゆき
コップから一滴でも水を溢れさせた人の負けだからな。」
そう言ってポケットから数枚の金貨を出して3人の前に配った。
配られた3枚の金貨を見て「え?私もプレーヤーなの?」の深水の言葉に
加賀見が「おいおい、騒動の中心人物が参加しないって有り得ないだろう。
でも安心しな、琴李にだけパスをする権利を1回だけ上げるからさ。」と付け加えた。
その権利は事実上、深水がゲームに負ける事が無い事を約束するものだった。
「俺は良いぜ、琴李が負けたのじゃゲームをする意味が無いからな。」
その達也の言葉に異論が出なかった事が3人の同意を得た形となりゲームが始まった。
~つづく~
七夕祭り
商店街やショッピングモールでの七夕祭りイベントで配られる笹がプラスチックで出来ている事に
違和感を持たなく成っている自分に対して子供がプラスチック製の笹を見て
何故 笹がプラスチックなのと聞いて来た時の適切な答えは何だろうと思う。
まだ、日本にパンダが居た頃ならばパンダのご飯をお祭りの道具に使うのは気が引けるだろと言えたかもだが
日本にパンダが居なくなった今は、誰に子供を納得させる為に前に立って貰おうかとくだらない事で悩むのは止めて
ロマンチックな星祭りを詩でも書いて楽しむ事にしましょう。
年に一度の星祭り
川星に阻まれ会えぬ二つ星
笹船にさえ乗れぬ姿見て
何を願えと言うのやら
短冊に涙で綴られるは悲恋かな
恥ずかしがり屋の織姫に引きこもり気味の彦星だから雲のカーテンを閉めてから逢うかも知れないけれど
気象台が梅雨に入ったと発表すると雨を降らすのを止める意地悪な梅雨だから、二人が口づけをしている時に
雲のカーテンを開けてしまうかもですね。
自分達の願いも大事ですが自分達の星 地球が夜空に輝く星たちに負けぬくらいに美しくあれと
願うのも星祭りの楽しみ方かもなどと思いながら七月七日の七夕の夜空を眺めてみようかと思います。
問わず語り/夏の行方と雨読、此之膳。
先週ご存じうっかりミスで、4000字書いたページを操作ミスで消した。
ページの復旧はできるけど(WindowsはCtrl+Shift+T)本文は白紙で戻ります。それがCWS、2日間かけてエッセイ書いたけどその場を離れたり画面を切り替える際はコピペだけでもしようと心掛け、一週間ほどお休みして再スタート。
週末は円山エリアで鰻を食べました。
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札幌の住み心地ランキング、6年連続1位の円山エリアにある「うな明」読み方は、うなめい。
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梅雨のない札幌は気温こそ30度未満で冷涼・・・・・・ですが、夏色の空から降り注ぐ陽射しが暑い。
暖簾を潜ればすぐに案内される。
予約も無しに入れるなんて珍しいこともあるものだと席に着けば、見慣れた天上は落ち着いた佇まいに緑。寄り添う窓の景色がとても明るい。
土用の丑の日には、まだ早いけれど、冷たいビールを飲みながら鰻を待つのも一興。
酒の肴に鰻の骨せんべい。
ビタミンDはカルシウムの吸収を促し骨の形成をサポートする立派な栄養素で、しょっぱい味の歯触りは今日も最高。
札幌市内に鰻の料理だけ扱う専門店は幾つかあって、どこが好きということなく時々で来る。この近くに赤い鳥居があって、八大龍王神八江聖団/宗教法人だと判明。あの裏、といえば地元の人ならわかりそうな場所が、うな明。
すすきの交差点から一本西にあるのが、かど屋。
繁華街から離れた一方通行から市電通りにあたる先に、二葉。
お弁当ならかど屋。店で食べるなら、桑園の悠とうな明がいいかな。というのも、店によって特徴が違う。
悠は生鰻の腹開き・関西風。
うな明は蒸してから焼く関東風で、ふわりとした身に箸を入れてキリッとした醤油の味が立つたれをかけたご飯をキューブ状に取って横一列に食べ進める。これが気持ちいいマイルールだ。
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ご飯の増減ができる為、注文時に聞かれます。
梅:小さいの一匹
竹:中くらいの一匹
松:大きいの一匹/ご飯大盛りだと別盛り
特:一匹半/ご飯別盛り
写真は梅(ご飯普通盛り)貴之は松(2枚目、鰻の大きさが違う)たれご飯がいいとのことで普通盛りにしていたけど、食べ進めると鰻が大きくてご飯の割合が少ない。ご飯おかわりもいいけど、腹八分目でご馳走さまでした。
余韻を満たすべく先は小さなおやきを買い食い。
あんことクリームをふたつに割って、片方を貴之の口へ。どっちの味か迷ったら、貴之はいつもそうしてくれる。このくらいが丁度いい。距離感は外でも手繋ぎ、めっっちゃ恋人だって一目瞭然だけど、苗字を揃えてよかったと思う瞬間でもある。
世間的にいうと私はお兄ちゃん大好きな弟として周知されています。
ゲイカップルは行政や医療の場で、関係性を聞かれると身内ではないけど近い関係としか言いようがない。
その場合、身内ではないと教えて貰えない事もあって不便がある。その上で同性愛だと明かしても権利が発生しないわかりきった事にまで踏み込まれ、他人であることを痛感させられるケースも少なくない。看取りなんかやろうと思ったら、事実関係の記録を作る頭がないと立ち回りができない事情だってある筈だ。
だから家族になって、よかったとここ最近になってよく思う。
貴之はもうすぐ、人生がひと段落する頃。
会社の制度や様々な手続きを経て、投資信託の切り替えもやっと終わって数年後に社会がどのように変わるのかを数字で見る。セカンドライフをどう生きるか、その時がくる前に一緒に考えてあげられる存在でいたい。
独身で、家族や恋人のような相手がいても、ひとりで生きてる男は想像以上よりもっとたくさんいる。
一度も誰かを戸籍に入れない
そんな人達に向けられる言葉がこの頃では辛辣です。それまで伴侶や配偶者がいても別れてひとりになる人もいる。昔みたいに妻が連れ添い、子供が面倒をみてくれる保険はどこにもありません。結婚は損得で考えられるものではない。でも、誰かを選んで関係性を持てなかったことは結果として損をする社会の仕組みと自身の痛手とする人もいるだろう。
若い頃はそれでよかった
昨日まではよかった
よかった筈なのに、そうではないと気が付くのは何時なのか。他人は不幸を予期して指をさし、それ見たことかと助けもせずに通り過ぎていく。それは誰にでも起こる、孤老という将来は皆平等だと私は考えています。
若い時から堅実に働き、将来を見据えたお金の使い方と受け取れる方法はあるほうがいい。先の暮らしの助けになるからね。無ければないなりに暮らせるから「負け確」なんて思想は自分を弱らせるだけ。その只中にいる貴之と暮らす日々は穏やかで愉快そのもの。
不安がないと言えば噓になるけど、今はできることがたくさんあるから、貴之に対して思いやりが持てる。
本人が独立したいのならそうすればいいし、私でいいなら看取ります。
────あの日、初めてお墓参りに行った時のこと。
目の前にあるお墓に親しみを持てなかったのは、初めて来るから当然だけど、私は貴之と他人なんだと深く感じた。
互いをどれほど思いやっても、愛し合っても、家族ではない。
いつかだれかと結婚したらその人が家族になれる。
私だけが、
貴之を好きで、
貴之はそうじゃない。
貴之のご先祖様に手を合わせながら、泣いて、どうして泣いているのと聞かれても上手く答えられなかった。
家族にならないと貴之と一緒にいられない。
でも、それは私の願いで、実際そんなことしたら貴之は責任を感じて結婚できなくなっちゃう。将来のことだもの、別にしてもいいし、貴之がお父さんに旦那さんになったらどんな風になるのか。どんな人が奥さんになれるのか見てみたい気もするけどすっごく悔しい思いをしながら居場所を失う選択肢を気軽に口にすることができなくて、黙って泣いた。
だって、そうでしょう。
一生、私だけの貴之でいて。なんて・・・・・・刹那に抱かれている時に漏らすだけで精一杯だと、あの頃の私は信じて疑わなかった。
したっけ、親に頭を下げて私を認めてくれと言い出す始末。
私に仕立てたスーツを着せて、貴之の実家へ正式なご挨拶。
終始緊張の面持ちの貴之が、いきなり、そ、そーゆーお話するなら予めこっちにも説明してよっ!!!!
私「えっ、と・・・・・・お願いします」遅れて頭を下げたら、顔面に昭和レトロな灰皿が飛んできてガシャーン(食器棚の扉が盛大に割れる音)父親に大声で怒鳴られても怯まない貴之の懇願に、家族は騒然として、おばあちゃまが私達の前に飛び込む。
「貴之がこんなにお願いしてるのに何だって言うんだい」と、私達を庇ってくれた。
大奥様であるおばあちゃまは私を本当の孫のように可愛がってくれて、お蜜柑とっても丁寧に剥いてくれるの。
私は小さな頃からの習わしで他所のお家に上がった時、一番大きいくらいの方から順にご挨拶をした後、仏様にお供えをしてお線香を焚きます。凛とした姿でありながら、穏やかで自然な振る舞いにおばあちゃま感動。
朝のお参りの時間は読経があるので、何か教えてもらい、その場で声にして合わせる。
「若いのにしゃんとして」
宗派が同じなのはお仏壇を見ればわかる。お供えのご飯を食べてから器を洗う私の仕草があまりにも自然で、家でもそうなのかと何度か聞かれた。
「うん。うちは檀家で、小さい頃からお寺さんでお掃除したりご飯食べに集まっていたよ。月命日は、お話もしてくれるよ」
「親の教育だね。頭がいいのもわかるさ」
「おばあは青森の五所川原生まれ。それがさぁ・・・・・・聞いてよ」
わが家のいわくを語り、私が水の気をこわがる理由と火のもとに生まれついた話をしているとふわり香る、そこへ視線を下げて会釈をして見せると誰もいないのに御鈴が鳴っておばあちゃまが飛び上がる。
「怖くないのかい」
「だって家族だもの、怖くはないよ。知らない人だけど」
「おばあちゃん。まゆ、こういう子なんだ」
「はぁ・・・・・・よくみつけたね」
私を抱いて頭を撫でてくれるおばあちゃまのお気に入り/孫認定。なので私の子供たちもそりゃもう外孫だけど大事にされるよね。昔の人にしてみれば男は跡継ぎ、嫡男の貴之を将来支える役割も男が揃えばこの上ない。
パパの携帯待受けは最後までずっと孫たちだった、これは記憶に残る有難い出来事。
あれから数十年の時が経ち、たまに貴之に聞いてみる。
結婚はしないのって。今更と笑われるけど、あの約束は一生涯だと貴之は真剣に語る。
「俺が一生かけて守るから、俺より先に死なないで」
今のところ過保護すぎるほど頑丈に護られている。けど、私だって同じ気持ちでいるんだから。自分だけ格好つけんな。
この世の男の殆どは椅子だけど、貴之だけは私のこと抱っこしていいよ。
おじいちゃんになっても、
痛くて懸命に生きることになっても、
死ぬまで私はあなたのもの。ただ、その先は・・・・・・何か約束事がしたいのなら弁護士を通して、どうぞ。
そこまでやるならしゃーない面倒見てやるからさ、今は元気で私と楽しく過ごしましょう。今日も明日も。サマージャンボ本気で当ててまゆに全部お小遣いあげるっていうなら、倉庫の座敷童に祈願するといい。もし自身の大きな不遇や不幸と引き換えに大金を手に入れるのなら、そこまで私思いじゃなくてもいい。生きて使えるお金の正しさに導かれるよう、私は祈ってる。
あげまん手相は、伊達じゃないんだから──── ね 。
・
・
・
・
・
次回、まゆのあげまん事情/エッチな話になるかも知れない。
星祭の祈り
打水代わりの夕立ち
星祭の祈りの短冊を濡らして
通り過ぎていった
その後の凪いた軒先
風鈴が退屈そうだったから
うちわで仰いでみた
『何してるの』と笑うあなたに
「早くお祭りいこうよ!!」
と子供みたいにはしゃいでみる
現代の彦星と織姫なんて
ロマンチックではないけれど
隣に居られるあたりまえが
ずっと続くことを祈って
いたむ
どこか が
うっすら いたんでいて
いたみが ないことなど
なく
じわじわとくさっていく
それが いきる
いききる ことなら
かなしくて しようがないから
あめのひ これいじょう
くさらないために
しっかりと かさを さす
おはよう
きょうはのどがいたんでいる
詩は二度目の夏をあるく(詩はあるくXXV)
夏が
黒い梅雨の 合間に
まるい
白いすそを ふちどり
詩は
てをのばす けれども
まだ
もう少し その先に
あす
夜明け前 星をみよう
詩と
そらの かわべを あるこう。
田中のバカヤロー
愛のように気まぐれなさびしさを振り払おうとしたが、考えるのをやめて、また酒を注ぎに行く。病的な愛を、美を、俺はもう否定しない。
洗濯機の脱水機能がここんとこ中途半端だから
「しっかりやってくれよ」とつぶやいた。干し終わって我に返る。
そうだ。こいつには初めから、意思なんて無かったじゃないか、と。
毎日毎日が俺を弱くする。誰もが俺に微小な殺意を持っているみたいだ。
何のことは無い。腹が痛くなるほど聞いた学校のチャイムが、今は目覚ましにすり替わっただけのことだった。
俺が田中の裸を知る前、「深夜に泣きたくなったら聞いてみてくれ。きっと死にたくなるから」と教えてくれたロックバンド、なんて言ったか。名前まで忘れてしまった。
そこらへんを支配しているのは「俺のせい」という、ただ苦いだけのサプリだ。
突拍子もないことばっかりやって、ウケを狙っていた小学5年の俺。でも田中、お前だけはついに心から笑うことは無かったな。なんであのとき不満の一言ももらさなかったんだ。優しすぎるのも、後から苦しむ神経毒なのに。
そんな彼と、何をとち狂ったか、ペッティングをした。夏が終わりかけて、サイレンがうるさかった。
気持ちはよかったが、夜中に無性に死にたくなって、タオルで首を絞めたが、泣きながら目が覚めた。結局そんなものじゃ気絶がいいとこだったな、と。そしてある恐ろしい予感がよぎった。口の軽い田中がばらすかもしれないのだった。
明くる日を境に、毎朝8:30の学校のチャイムはすべてを巻き戻す号令に聞こえ始めた。通ってた学校がクソ田舎にあったから、寝転んだって何もないくらい通学路はきれいだった。それが憎くて憎くてたまらなかった。いっそ気でも狂えたら楽だったろうな。絶対に。何かが乗り移ったように、俺は田中をいじめ始めた。
3年後の中2のときに、田中は首を吊って死んだ。あの日、口に含んだ陰茎を思い出した後、よくやったと思った。お別れ会の後、俺たちは田中の机でポーカーをした。正義ぶった女子が血相変えて「やめてよ!」と怒鳴りこんできたが、俺たちは冷笑した。そういやあいつ殴られてたな。俺は止めなかったけど。恨むなよ田中。俺だって加虐者と被害者のスレスレで死にかかってたんだ。
にしても、なんでお前、もっと早く死ななかったんだろうな。
俺があいつの裸を知る前、「深夜に泣きたくなったら聞いてみてくれ。きっと死にたくなるから」と教えてくれたロックバンド、なんて言ったか。名前まで忘れてしまった。SNSも公式HPも無いから、解散してるのかどうかさえ分かんない、細々と観客3人のライブやってた、あきらめの悪すぎるバカヤローたち、まるでお前みたいだったな。あんなの聞いてちゃ誰だって死んでしまうよ。それにしても思い出せねえな。
なあ田中。
あれ何だったんだよ
教えてくれバカヤロー。
標本
分かってただろ
背中のシールを剥がしても
どうにかなるわけじゃない
誰かがあいつに貼り直しても
きみはやっぱり泣いてただろ
たぶん明日も
明後日もそう
雨の痕を集めて最後は
いらないものだけ
受け取ってしまうから
泣いてる人は方向音痴だ
でも
こういう日に見つけた
新しい形の窓には
いつも名前がない
見つけることは痛みだから
からだみたいな形の心に
きざむしかないよね、
明日はみずいろの靴を履いて
いらないものといないものを
かごに詰めこんで
ひらがなみたいな正しさで
飛び跳ねてきてほしい
のだけど
この坂の上から見るときにだけ
止まったままで浮いてるのが
やっぱりいちばんきれい、
だからこれ以上
近くなることも遠くなることも
新しいことも
ありませんように
って 思ってしまう
わたしって
残響
わたしの
顔の棺
毎日
唇
をこじ開け
閉じこもる
渦巻く水流は
口
を吞み込み
発声
を弔う
宛名を削がれた感情は
繰り返す
冬のままの
口角
生まれるはずの
微笑を
軋ませ
わたし/あなた
を
水に吐く
引き攣る顔を
丁寧に
折り畳み
肺へそっと
仕舞い
明日の
朝の
喪失へ
捧げる
亀ではない
とぼとぼとわたしが歩いていると
まわりの景色や
頭のずっと上にあるだだっ広いものまでもゆれる
?
わたしの歩みは止み
鼻先がぐーんと伸びる
わたしを呼ぶものがいて
それは一体何なのだと問う
名乗った記憶さえない姿でわたしはあるらしい
わたしに飛んで見せよと命令するものがいるが
温かくて静かなでこぼこしたものがぐらつくと
わたしは跳ね上がることもあるが
跳ね上げるものをわたしは見たことがない
かたい体のどこかに刻みつけられているだろうか
わたしとくりかえすものに呼びかけるものがいて
この場所をとぼとぼと歩みをつづけるものがいる
静かなかたまり
扉がみえたらね
あれほど追いかけっこしたのに
よーいどんっで
扉がみえたらね
ぼくったら月なんかすっかり忘れて
ひとりお家に帰る
さようなら
月といっしょに
僕はうちにかえる
よーいどんで駆け出して
電線の五線譜
月は光る音符
夢中で走ると息がみだれて苦しくなった
冷たい息の通りみち
少し喉を鳴らしてみると
掠れた音が小さくでた
足を止めれば
この夜の白熱灯
ぼくを追い越して
ひとりぼっちにしたりしない
ふりかえると
扉がみえて
ぼくったら
いつもうっかり月なんか忘れて
さよならも言わないで、
僕は
ひとりうちに帰る
かき氷、食べにいこうよ
今日もことし一番の暑さだってさ
週間天気予報はこの先しばらく
30℃を超える暑さを示してる
見ただけで クラクラふらふらしそう
そんな夏が苦手な私でも
これだけは好きってものがあるわ
かき氷 かき氷 かき氷
昔ながらの駄菓子屋や縁日なんかで出てきそうな
ジャリジャリ氷に いちごやメロン
ブルーハワイのシロップたっぷりかけて
ベロにシロップの色がついて
見せ合いっこして笑うの
それとかあとは ふわっふわの
口に含んだ瞬間に溶けてなくなっちゃうようなかき氷
ちょっと大人な宇治抹茶とかほうじ茶なんかはどうかしら
黒蜜きな粉なんかも捨てがたい
マンゴー&ジャスミン茶
桃が好きだから 桃を丸ごと凍らせて
削り器で削ったら
至極極楽
間違いない
ギラギラ カンカン
照りつける太陽の下
一緒に食べましょ かき氷
プールサイド 爛れたコンクリート
消毒液の塩素の匂い
腰洗い場の水が やけに冷たくて
目洗いシャワー ちょっぴり痛かった
まだほんの子どもだった
まだなんにでもなれるような
そんな気がしていた
あの夏の日のように
そしてね 夜になったら
たらい桶に氷水をなみなみと張って
足を浸しながら
とびっきりキンキンに冷えたラムネと
とびっきり冷やしたスイカを食べよう
種をどっちが遠くまで飛ばせるか競争ね
近くで花火をしてはしゃいでる
子どもの声が聞こえる
夏って線香花火みたいよね
パチパチ弾けて一瞬輝いて
ふいにぽとりと落ちる
陽キャを装ってはいるけれど
実はいちばん
儚い季節
☆★*〜*★☆*〜*☆★*〜*★☆
子どもの頃、プールというと
最初に必ず、腰洗い場に入って
「消毒?」してから
プールから出たあとは
目洗いシャワー?で、目を洗ってから
でしたが
いまはもうないみたいですね^^;
プールの授業自体(この暑さでは)
なくなってきてるみたいですし
🍧🍧🍧
お父さんが欲しかったもの
息子はもうすぐ十八歳になる
お父さんは
とてもたくさん話すだろう
もういいが、
といってビールを注ぐだろう
お父さんは息子と
お酒を飲むのが
夢だった
でも産まれたのは娘二人で
だから、まだ5歳の息子に
ビールの泡を飲ませようとして
母に怒られていた
お父さんはなぜ
男の子がほしかったのか
お父さんのお葬式で
「あなたがつつみさん?」
と、会社の方に声をかけられた
私が引きこもってしまっていた時期
父は仕事の後、いろんな人に
相談していたと
いうことだった
すごく遅くに
仕事から帰ってきても
特に私を気にしてないようで
そんなことより
とても疲れていた
そのくらいから
言葉にはしないけど
なにかにつけて
手紙を書いてくれた
そこに全てが綴られていたんだと
やっといま気づく
お父さんが欲しかったもの
光
昨日は昨日の夢
夜の光
高い場所で演じたら
祝福された
ああ
光だけだ
夜は覆されて
僕になる
裏錆びた岬の灯台に
一人君は入るのだ
僕は待っている
君と分かち合いたい
夜があるから
神性
スマホを眺めたまま
夜の草原を歩く行列が
崖へと続く道を歩いている
「あっち、落ちたら死にますよ」
と、その行列の一番声かけやすそうな人に喋りかけたら
数人がこっちを一瞬見て
暗やみの奥から
「死ぬとか、ハラスメントです!」
と、怒鳴られた
ひらひらと蝶が飛んできて
辺り一面に咲いている花のなかから
ひとつを選んで
蜜を吸っている
確かに、
人間は必ず死ぬるのだから
キメセク中にオーバードーズで泡を吹こうが
畳の上で往生しようが
歌舞伎町のホテルから飛び降りようが
東武東上線沿いの安アパートで孤独死しようが
スマホをみながら崖から落ちようが
関係ないわな
おれだって死にたい気持ちが0%ではないくせに
善人ぶったかも知れない
或いはその行列の仲間に入れなかったことが
恥ずかしかったのかも知れない
やがて雲の隙間から月は現れその光線は
この、正しさの1つも無い夜の草原一帯を
レーザー兵器のように照らし、薙ぎ払った
人々はスマホの電源を切って
靴と一緒にそろえると
その崖の上から地獄へと飛び降りて行った
夏越の大祓
水無月の夏越の祓する人は
千歳の命のぶといふなり
思ふ事みなつきねとて麻の葉を
きりにきりても祓ひつるかな
千早振る神の御前に祓ひせば
祈れる事の叶はぬはなし
───茅の輪くぐり 唱え詞
墓滅入り
丁度五年前、
夜勤明けの其の足で
中原さんの墓を見に行つた。
吉敷川の
干上がつた川底に、
小石小石小石小石小石小石小石小石小石小石
小石小石小石小石小石小石小石小石小石小石
小石小石小石小石小石小石小石小石小石小石
小石小石小石小石小石小石小石小石小石小石
を
掻き分け
辿り着いた
住宅地の禿げた一画に
中原さんの墓は在り
その石肌はなめくじのやうに
てらてらと青白く光つていた
花筒はとうに涸れているし
其処で、
私が好きな花を巧く答えたとて
中原さんは
きつとちつと舌打ちするのでせう
旧小郡驛方面から
観光機関車の汽笛
幽かに、
中原さんの墓は在るだけで
あのひとつのものは
解らなかつた
私が失職する前の
他愛の無い出来事である。
https://i.imgur.com/UAQzgl4.jpg
晴れの日と雨の日
なにが幸せ?
なにが不幸?
大きな快楽が喜びで
大きな不安を恐怖とするなら…
わたしは
小さな幸せと
小さな不幸がいい
つきなみ怪談 二匹になった
これは、亡くなった叔父の家を片付けた時の話です。
叔父には子供がいなかったので、葬儀が終わった後、親戚が集まって遺品を整理することになりました。家は古く、物も多かった。誰が何を持っていくか適当に決めながら片付けていたんですが、その中に一本の掛軸がありました。床の間に掛かっていたものです。かなり埃を被っていて、誰も興味を示さなかった。叔父の親友が、
「ああ、それか」
と窓を開けながら言いました。射し込んだ光に眩しそうにしながら、
「あいつ、昔から大事にしてたな」
そう続けました。私は以前からこうした古い物に興味があったので、
「じゃあ、もらおうかな」
と言った。すると他の親戚も、助かる、それ持ってってくれ、という感じで、ほとんど押し付けられるように貰い受けることになりました。その時、おばが、
「お兄さん、あれ猿の絵だって言ってたねえ」
そんな事を言ったのを覚えています。黒っぽい絵でした。何が描いてあるのかはよく分からない。言われてみれば猿にも見えるような気はしたが、そう言われなければ分からない程度でした。眺めていると後ろの方で、
「でも一度、手放そうとしてたんだっけか」
と誰かが呟いていた。ただ、その日はもう遅かったので、詳しく話を聞く事もありませんでした。そのまま掛軸は家に持ち帰り、居間に掛けてみることにしました。
その夜です。電気を消しても、どこか落ち着かない気分で、しばらくそのまま座っていました。水でも飲もうか、と腰を上げたとき、視線のようなものを感じたんです。部屋のなかはいつもと変わった様子はありません。窓の方、なんとなくそう思いました。見ると、カーテンが僅かに開いて月明かりが射し込んでいる。近寄って外を見ると、庭に何かが立っていました。ぎりぎり外灯の光が届く辺りに、人影のようなものがある。最初は誰かが侵入したのかと思いました。ところが違った。
猿、としか言えないなにか。人間ほどの大きさ。庭の真ん中に立ち、こちらを見ている。ただ、それだけです。動きもしない、鳴きもしない。ただ、じっと立っている。遮るようにカーテンを閉めていた。
早朝、覗いた庭には影も形もありません。見間違いかとも思いましたが、次の日も。その次の日も。雨の日も、いました。庭木の横に立っていることもあれば、窓のすぐ下にいることもあった。
「ああ、今日もいる」
ふ、と呟きながら、見ているともなく見ていた。掛軸は朝が来る度に、穴が開くほど見るのですが、変わったところはありませんでした。
ある夜、縁側のすぐ向こうに立っていました。ガラス越しに顔が見える距離です。確かに見た。なのに、その顔を思い出そうとしても何も浮かばない。猿、のように見えた、としか思い出せないんです。それから骨董を扱っている古道具屋を見つけて、持ち込むことにした。
事情は話しませんでした。
ただ、
「遺品でもらったんですが」
と言って引き取ってもらいました。その夜から猿、としか言えないなにかは現れなくなった。ところが、一か月程してその店から電話がかかってきたんです。いつでもいいから、店に来れないかという。数日後、散歩に出ると気がつけば店の前に立っていました。
店主は私の顔を見るなり、
「あれ、おたくの叔父さんのだったんですね」
と言いました。知っているのかと聞くと、十年以上前、同じ掛軸を持ち込んだ男がいたという。特徴を聞くと叔父そのものでした。
「じゃあ叔父も手放そうとしてたんですか」
私がそう聞くと、店主は少し黙りました。それから首を振りながら、
「良いのか悪いのか分からないとか、なんとか」
と言ったんです。私の様子を窺うように、間を置いて店主は続けました。
「でも結局、持って帰ったんですよ」
理由を聞いても分からないという。叔父は掛軸を引き取り、その後、二度と店には来なかったらしい。帰宅してから、私は遺品として受け取っていた段ボールをもう一度調べました。
叔父の写真が何枚も出てきました。若い頃のものです。その中に、庭で撮られた一枚がありました。叔父が笑いながら立っている。その足元に黒い影が写っていました。
それから写真の裏に、叔父の字で一言だけ書かれていたんです。
『二匹になった』
それから何年も経ちます。掛軸はどうなったのか。あの写真は何処にやったのか、よく覚えていません。叔父が店から掛軸を持ち帰った理由は何だったのか。
そして、あの写真が撮られた時点で何が二匹になっていたのか。
私には、それが分からないままです。
鯖が泳ぐ店
夜のラーメン屋で鯖が泳いでいる
湯気の層を青い背がゆっくり巡る
常連は骨を丼の縁へ並べ
化石を掘るように
骨を掘り出す爺さん、婆さん
店主がそれを集めて
出汁の渦へと返せば
新しい青い背が泳ぐ
私は海を啜りあげる
寒空の日本海や
瀬戸内の穏やかな
青い背を泳いで
鼻から鼻を回遊した鯖は
微細な小骨を喉に残して
閉店後に寸胴へ戻る
帰路、背は青い
変わっていく景色の中で
変わっていく景色の中で
変わらないものを抱きしめたい
ありふれた一日が
宝物になる
空はまた表情を変えて
少し先から見てる
世界の始まりみたいな朝に
言葉を紡ぐ
早く目を閉じて
新しい空を見たい
光の落ちる道
影に包まれる木々
どこまでも続いていく道が
人生な気がして
知らなかった世界
広がった未来
語り尽くせない景色が
また広がっていく
紫煙
丸めた唇から
紫煙が輪を作り
宙に舞う
言葉はいらない
驚く顔を見て
笑顔から輪がひとつ
もっとと
大きな輪を
せがむ
ひとり
夜の部屋で
輪を作る
吐き出した
紫煙で
輪を崩す
灰皿から
線香のように
静かに舞い上がる
指を避けて
部屋の灯りのリングを
包んで消えた
八月
「クーロンで泳ぐ熱帯魚は死んだことがないんだよ。
死んだことを自覚するための
うつつが
わからなくなる街だから
死んだって
思わないんだって。
「夢の中で溺れてしまえば
死んでしまうよね?
「溺れるような夢を見る方が悪いって。」
また誰か
蝉を知らず知らずのうちに
踏み殺してしまったようだ
僕も君も
似たような寝汗をかいている
よせあえば焼き殺してしまうほどに
ふれあっている部分がやわい。
白い壁とアラベスク
セメントギャロップで移動して
ぼくは夢の砂漠で子供の砂漠を埋めた
夢は瀕死の目の微風
子供の砂漠は
逆さまになった黄色い予感の公園の木
セメントギャロップだよ
ダムの底を調べてみて
脳髄火山白鳥の
無惨な死骸が
見つかるかも
しれないよ
白い壁に埋め込まれた人は
一日中
ドビュッシーの2つのアラベスクを聴いていた
恐ろしい結婚指輪をして
その人はサウナに行った
犬の吠え声と
兵士の悲鳴が聞こえて
気づくと白い壁に埋め込まれていたのだという
へえ
そうなのだ……
ぼくは
セメントギャロップで移動して
夢の砂漠で子供の砂漠を埋めた
夢は新しい稲妻の言語
子供の砂漠は
豊かな死を星形クッキーに散らし
透き通った不眠の息で墜落した
ツバメの親子
脳髄火山白鳥の
無惨な死骸が
白い壁にかけられて
そうしたらダムの底を調べてみて
衣装箪笥と舟の上
同じ蜃気楼が揺れているのを
見られるかも
しれないよ
透明マズルカバラードの
青白い朝に
目が覚めて
白い壁に埋め込まれた人が
鷲の目と
木賊の股間
多くの滴る炎の木を見たことを
告げた
セメントギャロップで移動しても
あと100年は
臭い甲冑の中なのだなあ……
夢は瀕死の目の微風
子供の砂漠は
逆さまになった黄色い予感の公園の木
いま
ぼくはダムの底にいて
白鳥の骨で
階段を作っている
美しくなる
突然世界は美しくなる
建物のヘリがほぼ垂直に空間を伝う
横切る電線が直線的で少し撓んでいる
驚きで胸が震えた
隅から隅まで何もかもが
突然美しい
鳥が鳥の形となり
一瞬一瞬モノの配置を置き換える
一切から名前が消え
役割が消え
感情が消えて
感覚をはかる目安に変わる
音が流れるが音源が剥がれ落ちている
小料理屋の換気扇から
嗅いだことのない匂いが流れてくる
と思った途端、そんな店は何処にもない
今このとき
太陽電池の羽を開いた人工衛星が
センサーとカメラを地上に向けている
衛星は既に機能を停止し
もはや何のためでもない何かが
世界の一部となって僕を見ている
何もかも
美しい
夜から
二つ
瞳が
落ちる
墨汁
かと
瞬けば
血が
転がる
避雷針
雷が雨のように降ってきた
その熱狂的な音と光が
わたしの身体を貫いた
裂けた身体から一斉に
蝶が飛び立った
サマーノイズ
やっと
夏が来る
夏は好きだ
いや大好きだ
降りそそぐ雷鳴
耳をつんざく蝉の声
世界を白く遮断する夕立
空高く弾け飛ぶ打ち上げ花火
どれもこれもが大音量で
わんわんと泣き叫ぶ
私の声をすべて
掻き消しては
無にかえす
安らかさ
ゆえに
美しい
夕日を見ながら私が紙になると
妻は薄い私の身体を
一枚一枚
シュレッダーにかけていく
紙はシュレッダーするものよ
と妻は震える手で淡々と私を
回転する歯の方に押し込んでいく
細断された紙片は風に乗り
どこかに運ばれ
そのどこかでもっと小さな
繊維や粒みたいなものになるのだろう
これが君と見る最後の夕日か
そう思うと紙のように
思い出までもが薄くなって
視覚も嗅覚も透明になっていく
最後に君の首筋の匂いを嗅ぎたかったな
それは言葉になったのだろうか
私は私がいなくなった後の
夕日と妻のシルエットを想像する
美しい
メロン
ひとの手を叩く
無慈悲にたじろぐばかりの
ぼくのために豊潤な果肉
乾いた風を吸い込んだ
わずかに湿りを帯びた緑
野の一群をさらい陽をくぐり
ここに解き放たれて
ずっしりと内を満たした実の
球の表皮に縦横にめぐらせた
脈の交わりに指を這わせながら
ぼくの地図の上
いつしか
思い思いに輝く
みえない光のこどもたち
あちらこちら燻る
暗い穴ぼこのようになって佇む
きこえない雨のこどもたちの
まだ蒼く閉じられた瞳の前
ただそっと降り立って
柔らかな肩の縁にそって
まばゆく瞬く
何気ない小さな善意に
与えられる一つの恵み
つながっていく
ぼくの地図をころがる
この街の季節の中を
金貨と目薬(4)
<新しい流れ>
「ねえ、達也~大きな川って、どれくらいの川が合わさっていると思う?」
加賀見 陵介との仕事の後、モデルとしてメディアに出る事も控え気味にしている深水だったが
ジムでのトレーニングは続けていた。
夜の仕事も増やす事もしなかったので、ジムでのトレーニング後に予定を入れずに武内の部屋で
シャワーを浴びてトレーニングの成果など他愛のない話しをするのが常と成っていた。
武内の部屋の洗面所から聞こえる深水の声は下手をすると独り言のテンションだったが
武内は聞き逃す事なく返事を返すのだった。
「美味しい皮のタレの組み合わせ?」
「今日のトレーニングに身が入っていないと思っていたら、お腹が減っていたのかよ。」
シャワーを浴びてスッピンの呆れ顔で武内を睨みながら
「焼き鳥の皮の話しなんかしてないわよ。川・都内に流れている大きな川の話しをしているのよ。」
武内は深水とは肉体関係は無かったが、深水がスッピンで接してくれる事に優越感を感じており
肉体関係を持つ事でプラトニックな深水 琴李を失う事を恐れる様に夜を共にしても体を求める事はしなかった。
「川?川がどうしたんだよ?川なんかに興味を持っていたか?」
深水も体を求めて来ない武内の前では心からリラックスが出来て自然と相談をする様になっていた。
「陵介との仕事で水の流し方は解ったのだけれど、大きな流れにするにはどれくらいの流れが
必要かなと考えていたら自然と口から言葉に出ていたのよ。」
深水の言葉に戸惑いながらも
「なに?加賀谷さんとの仕事に不満というか満足出来ていないのか?」
深水は、冷蔵庫から持って来たビールをコップに注ぎながら
「達也、新しい流れはアナタと考えているのよ。協力してくれるわよね。」
武内は唾を飲み込む代わりに注がれたビールを一口飲み込んでから
「琴李がジムに来た時から、琴李の夢を応援すると決めている。」
グラスのビールを一気に飲み干して深水は武内に話し始めた。
「次はね・・・・」
「編集長、次はスポーツウエアで切り込んで行きたいと思っているのですが、
モデルにと考えている男性も決まっているので会って貰えますか?」
前回の企画熱が冷めない内に動きたいと言う深水の意気込みとモデル男性が来ていると言う段取りの良さと
前回同様に深水の名前は出さない条件で企画の話しが進み加賀見と武内と深水を交えた打ち合わせする事と成った。
~つづく~
純粋れんこん
天丼の『てんや』で
五三八円の天ぷら生ビールセットを頼んで
僕はちょっと呑んでいる
このセットでは4品選べるので
海老
いか
れんこん
いんげん
を、注文した
財布には七二〇円しかないから
これっきりだ
いか天を食う
柔らかくて
青春の味だよな、と思う
ミルキーで
中学生っぽい味だ
次にいんげんの天ぷらを食う
少し、グリーンな気分になる
ブルーではない、グリーンな気分だ
それから海老天を
尻尾の先まで食う
天ぷらと言えば、海老は主役だ
学生時代、父が連れて行ってくれた高級な天ぷら屋で
カウンター越しに海老の踊り食いが出てきて
ためらっていたら
もぞもぞ動いた
生きているのだ
びっくりした僕を父は楽しそうに眺めていた
どうにかそいつの身はやっつけたが、
千切るまでビクビク動いてた
父は頭と尻尾も、上手に割って片づけたが
僕には頭と尻尾は食えなかった
店主は黙って皿を下げ、父と目配せして
食い残した頭と尻尾を
からりと揚げて、無言のまま
再び出した
以来、僕は
海老のてんぷらは
尻尾まで食わなければいけないものだ
と、思っている
付いていれば、頭も食わなければいけない
人生には
逃げ場のない高級店で
頭と尻尾しかない海老天を
食べなければならない時もあるのだ
しかもそれが美味かったりするのである
いろいろあったものだが
何だかんだ言っても
あの頃の僕に
親父は親父なりに優しかったのだろう
最後に、れんこんを食う
れんこんには何の思い出もなく
ただ
れんこんの味がした
旨かった
(2024.10.20「焔」初出・2026.7.5改稿)
オン・ザ・ミルキー・ウェイ
私の丸い乳房を撫でると
吹き出す乳は
やがて
天の川になり
オン・ザ・ミルキー・ウェイ
あなたの手は乾いている
と思ったけれど意外
しっとりと柔らかい手だった
爪の先がかぎ裂きになっていて
私は切る
パチリと切り離される
飛び散った爪を
床から拾い上げる
硬い半透明の三日月
あなたは痛いと言って
手を引っ込めるけれど
私は少しもあなたを傷つけはしない
大丈夫 ただ切り離されただけ
パチリと音が鳴って
私の中に移された
半透明の三日月
あなたの爪の先を
何度も指で確かめる
もうかぎ裂きではない
滑らかに尖がって手を放す
私の丸い乳房から吹き出す白いミルクを
柔らかい手に受けて
あなたは飲む
切り離された半透明の三日月を
私は両手で
ミルキーウェイの中央にかえす
月が出ている
object.
𝚘𝚋𝚓𝚎𝚌𝚝.𝗼𝗯 𝗷𝗲𝗰𝘁
人の手
に依る。
風雨の蒼に堆積した
埃を払う
木肌
に触れる
涼しげな冬
の絵に
雪が降っている
窓の外には
いつもの
静かな朝
すずしい
水が囀る
蛇口から
おちる水滴、波紋
雨宿り、
してゆけば、よいのに
昨日、
駅まえを歩いた。
あまやどりしても
よいのに
うちみずのあびない
よいあくびのするところ
ねこの草のね
みえ隠れする
葉にそよぐ
ゆびさき
◽️プチストーリー【愛す(あいす)】(作品No_01)
「そのアイスおいしそうぉ」
彼女が僕のコーンに載っかっているまん丸アイスを見つめている。
その視線で溶けやしないか心配になるほどだ。
「、、、、少し食べる??」
僕にはもうこの言葉一択しか選択肢がなかった。
「うんっ!!」
急におもっいっきり笑顔に変わり、首の頷きが、目がテーブルを見てまた僕をみた、いやアイスの方かもしれない。
あーん、パクっ
「おいしぃー!」
「人からもらうのってなんでこんなに美味しいだろうね!」
「ね!」
なんか全てのことがどうでもよく思わせてくれるこの瞬間
僕はアイスが大好きだ。
(了)
雨に唄う
うなだれた足元染める黒いしみ
身を知る雨に濡れて唄えば
草待ち:ずいぶん遠くのほうで
ずいぶん遠くの方で
誰かを思うのが好き
バーゲンプライスのある本屋で
ポエトリー&ハーツ
と書かれたペーパーブックに目をやりながら
これは これは
ずいぶん遠くの誰かが
すぐ側によってきて
助けてくれなければ
とても とても
キャッシャーまでは持って行けない
よ
買いそびれて
帰る家並みのきれいに刈り込まれた芝生は
幼い頃のフェンス沿いの日々を
眩しくも
優しく思い出させて
「日曜の朝」
とか
「日曜の陽射」
なんかの歌詞の意味が
目の前に確かに放り出されていて
自転車をこぎながら
一人で笑ってしまう
芝生の脇のいくつかの
オオバコやタンポポしか数えるものもないのに
ひとこぎ進む度に
君を通り過ぎた気がした
「花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる、ように」より
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https://youtube.com/shorts/9-IodLQpBWE?si=-vbgnfLUOv3h-JM_
ヒコーキ耳の詩
鳴けない猫がいる
そいつは雨ふりの日曜日に
一匹暮らしの部屋で
無口な犬の真似をしながら
愛されたいとただ願っているんだ
年老いてくさいお前の倫理観で
その猫をなぐるな
2023年前半期、精神病棟記述詩
今この瞬間、誰かと誰かがkissをして
今この瞬間、誰かと誰かが殺されて
今この瞬間、誰かと誰かがアイスクリームを舐めている
今この瞬間、誰かと誰かが皿を洗い
今この瞬間、誰かと誰かが蕎麦を茹で
今この瞬間、誰かと誰かがお茶を飲んでいる
私がなにをしても、世界は変えられない
ただ、風が吹き、雨が降り、雷が鳴る
ただ血が吹き出、ただ血が止まり、ただ目に涙する
私は、世界をコントロール出来ない
善きにせよ、悪きにせよ、変えたいと思わない
私は全能の神でいるより、風に揺れる木の葉でありたい
寒空の下、揺れる木の葉が、存在の小ささと儚さを教えてくれる
▓▓▓▓の報復主義
・攻撃を受けたら、必ず倍返しにすること。
・攻撃をしたら、必ず倍返しにされる前提で行動すること。
報復主義的生き方の実践は、たったこれだけだ。
さあ、始めよう。新しい生存戦略。