投稿作品一覧
喉をほどく
山羊の鞣した皮で喉を塞いだ
煙を満たした甲状腺から溢れるホルモン
止める術を知らない
零れていく気概を
必死に受け止めようとする粘膜は
決して何らの暗喩ではない
ありありと起こる出来事を
そのままの感触で食べてしまうと
指先から腐食していくようだ
だが、まだ指は生きている
整った爪先が自然に綻んでゆくことを
老いる、と呼ぶならば結局
老いているようでまだ青い
眼の反射で見ていた
光の輪郭だけを頼りに
脈打つ器官の揺らぎを計る
硝子の向こうで乾いた風が
軋むように喉を鳴らす
その音はやがて波紋となり
肌に染み込んでゆく
言葉より速く、触れるより浅く
記憶の中で形を変えながら
ゆっくりと沈殿する
消えていくか、残るかの境界線を
ただ指先でなぞる
朝の冷えた空を裂くように
一羽の鳥が飛び立った
置き去りにされた羽根が
静かに呼吸している
それは確かに柔らかく
ひどく脆く、あたたかい
喉を塞ぐ皮膜をそっとほどけば
風にのせた声が溢れ出し
遠く、霞んだ方角へ
朱雀の方位に、太陽は動き出す
爪先の青さをまだ宿したまま
羽撃きの残響に耳を澄ませる
只々
只々風を感じて
只々私の生命を実感する
私はそれで
生きていることを実感する
風を受けて
そして
葉の匂いを感じ
そして
流れる地脈を感じて
生命を実感するのだ
只々私は生きており
只々この生命の削れるのを
ひしひしと感じる
只それだけだった
私の人生というものは
何の飾りもない
色とてない
只々虚空が広がる
それでも生きている
只々生きている
大地を踏みしめ
この世にあるまじき私は
生きていると発狂するのだ
漣
ある浜辺に来ていた
浪は音を立てず
ゆったり浜辺に打ち付ける
ほのかに湿った砂浜
歩くたびに残る足跡
私の生きている証を
残しているようだった
生きる意味を探していた
浜辺に座っていても
波打ち際に佇んでいても
私は結局何も分からなかった
寧ろ人生に飽き飽きするのだ
このつまらない人生に
芸術などというものは
私たちの人生に溢れている
この浜辺も
浪も
つまらない人生も
それでも見られるのは
どれだけ筆を握ろうが
才能のあるやつだけであり
私がそこに沈み入るなど
出来はしなかったのだ
私が立っていた
音のない漣が立っていた
あの浜辺は
もうここに面影すらない
私は白い石灰の上に立ち
ただ呆然と
昔見た景色を思い出すのだった……
猫の話
崩壊寸前の日本の路地を猫が歩いている
ブロック塀の上でゆったりと体を揺らしながら
真っ直ぐに辿る この国と町の歴史を辿っていく
崩壊した世の中は焦げ臭いにおいが立ちこめるだけだ
建物が崩れ、いつの間にか人が死に、嫌な連中がのさばり
鯖缶を開けてくれる人もいない
穴の開いた道路に
泥まみれの古いビニール袋が落ちていて
入っていたポテトチップスのにおいは残っていない
猫には猫の言葉があるよ
ヒトには秘密さ
わかったつもりにならない方がいい
そもそも猫は
平気で生きて平気で死ねるからね
崩壊寸前の日本はいつまで経っても崩壊寸前で
生きているヒトは何かの影に怯え
死んだヒトは速やかに忘れ去られる
あの時代と この時代において
猫はいつの間にか幻影に※変化し
僕は路地裏の行き止まりに追い詰められ、傍目からは
いっそう哀れな有様
に見えるのではなかろうか
カードノライヌ 2
一度、ノッケーオに血が出るまで殴られたことがある――その日も俺はナマズさんと一緒にヴシィーヌとボスの家に行っていて、夕方の五時から夜中の三時まで白いタイルの上にぺたんとあぐらを描いて、酒を飲んで、議論をするような顔をして指導教官の悪口を言ったり、スケベなゴシップを話したり、大麻を吸ったりしていた――いつもそうだ、最初は真面目そうな顔をして、この国の未来や開発の話をしているのに、気づいたら年相応に未熟なバカ四人――そのとき俺は日本から来た留学生の女の子のことがちょっと好きだけれど、そいつが中国人のクラスメイトとちょっといい感じらしいということでショックを受けていた――しかも噂ではその中国人、ハイラオというのだが、彼はかなり巨根であるらしかった――クラスメイトのケンドーとテーラワットが家で酒を飲んで大麻をやったとき、ハイラオがズボンを下ろしたままトイレから出てきたんだと、それがあまりに大きいのでしばらくハイラオはデックヤイというあだ名で呼ばれていたほどだ――それで、俺はずいぶん嫌な気持ちになっていた、俺には恋人がいるのだから別にその留学生の女の子とどうこうできなくたってかまわない、でもな、巨根のハイラオと薄汚いドミトリーでやってるところを想像すると、なんだか辛気臭い気分になるんだ――俺がそういうとボスがげらげら笑って、こんなところまで一人でくる女の子、しかも日本人だぞ、自分のことをエキセントリックで行動力あふれる人間でほかと違うと思ってる、そんな凡庸な人間なんだ、想像力を働かせてみろよ――想像力を働かせたからうんざりしてるんだろう? お前も早く大人になれよなティーネイジャー、男女のコミュニケーションはセックス以外ないんだから、自己紹介以上の会話は無意味なんだよ――ボスは実際、ここで大きな声で馬鹿話をしてげらげら笑っているくせに、女の子の前ではシャイで大してしゃべりもせず、黙々とウィスキーをコークで割って飲んでいるようなやつで、言葉の通りいつもちょうどいい時間に女の子と一緒にどっかへ消えていき、午前2時や3時になってまた俺らの飲み会に戻ってくるというような人間だった――言うてもボスも女々しいところあるからな、別に間に受けんでも、とナマズさんが日本語でこそこそ俺に耳打ちした――まあ彼女の好きにすればいいさ、誰も知らないここは外国なんだから――俺とヴシィーヌは童貞だった、ヴシィーヌは別にインドに帰ったらお見合い婚が待ち受けているのだから慌てて女を探すことはない、とどっかり構えていたが、俺の方は随分焦っていた、なにせ一九歳、童貞のままハタチになろうとしているのだから――そんなような世界で一番無駄といってもいいような会話を永遠と続けて、トイレに行こうと思って立ち上がると上と下がわからなくてひっくりかえってしまった、俺は笑っているだけ、でもナマズさんは心配して、それか酔っ払い特有の過度な気の利かせで、トイレの前で俺を捕まえた、一緒に部屋を出た。
ちょっと酔い覚まして帰ろうや――ナマズさんは通り過ぎた屋台を振り返って、奢ったるわ、と戻って椅子に座った――ナマズは笑っていた、大人みたいな顔をして――俺たちは仲良く一緒のクイッティヤオを注文した、プラスチックのカラフルなコップに入った、水と氷、ごくごく飲み干して三度も四度も継ぎ足して飲んだ。
とうとう今日フーサホンのダム建設はじまったらしいわ、誰も止められへんかったな。最後や思ってちょっとラオスまでイルカみていってきたわ。
テーブルの上の調味料を一個一個手に取って確かめたりしながらナマズはしゃべって、俺はわけもなく携帯を出して彼の写真を何枚かとった、そのときとても特別な時間を過ごしているような気がしたからだった。
イラワジカワイルカ?
そう、ボートのツアーで見に行ってんな、なんかバケツの小魚投げてんけど、愛想わるいなあいつら、それまで頭出してこっち見たりしててんけど、魚投げたらすぐ潜ってったわ――食いにきてくれたら可愛いのにわざわざ潜ってくってんねん、まあけど、見れただけええわ、ラオス側はもう3頭しかおらへんらしいねん――俺は2匹見れたんやけど、それとあと1匹で全部やで? それが死んだらしまいよ、あのでかい川で、あんなでかい川やで?
クイッティアオが運ばれてきた、湯気が立っている、俺はたくさん唐辛子をかけて、ピーナッツをかけた、ずるずる啜りながら話を聞いていると涙が止まらなくなった、あの濁ったメコンの水面からぬっと顔を出して、可愛くない顔をしてこちらをみているイルカのことを想像してしまった――俺たちが住んでいる世界は惨劇の舞台だよナマズさん、こんな世界で生きていける気持ちがしません、なのに俺たちは毎晩酒を飲んでくだらない話をして笑っている。
苦しいな、俺たちがこうやっている間にも貧しい人が死に、大きな背骨を持つ動物が死に、世界は濁っていく。
ラテみたいな世界で誰が前のことを考えることができるんですか、ナマズさん、俺は苦しいな――何もかもですよ、こんな惨めな世界で生きていることが、それで当たり前みたいに息をしてふざけながら明日を迎えてぼんやりと時間を食い尽くしていくことが、生きている意味があるのかって考えて、できることはあるのかって考えてるのに、それなのに寝たら当たり前みたいにくだらない朝を迎えてしまうんですよ、また明日が来るんですよ、今日もそうでしょう――自分が惨めです、くだらない。
それでもクイッティアオはうまかった、麺を全部食ってしまったあとでもずっとスープをずるずるやってたほどだった、食い終わって俺らは昔の話をした、昔と言っても一年ほど前、俺たちが初めて会った時のことだ、その時にいた可愛いクラスメイトの話をした、彼女は一年の一学期の最初の二ヶ月が終わる前に学校に来なくなってしまった――真夜中の大通りをよたよた歩いて、風を吸い込んで長かった――どこまでも歩くようだった、気持ちのいい時間だった。
ナマズさんと別れたあとになってまた酔いが回ってきて、今度は楽しかった、だんだん醒めてきたと思っていたのにな、どうしようもない世界も、どうしようもない俺も、なにもかもとっても可愛いしおかしかった――ご機嫌になった、もうなんでもかんでもどうでもよくなってぶち壊しで終わりになってしまえばいいと思った、後ろをびゅんびゅん車が通っていたがそんなのおかまいなしで大通りで立ち小便をして、失敗してジーパンは小便まみれになった、でもなんでもよかった、俺はひとりだし、めちゃくちゃ愉快だった、けれども誰かが笑ってくれるわけじゃない寂しくなった、でもでも愉快で半ばスキップをするみたいにして帰ってくると家ではジャンキーのノッケーオが泣いていた、あぁ、そうか俺には恋人がいて、どうしようも生活力がない半死の人間で気づいたら俺の家に住み着いていたな、と俺は急に思い出してうんざりした――彼女はおんおんと大きな声を出して泣いていた、うんざりしてしばらくぼーっとして、気づくとおれは俺は小便まみれのジーパンを履いたままシャワーのなかで座り込んでいた、気づいたら、ボディーソープでジーパンごと洗って、でもビショビショのジーパンを脱いで、部屋に戻った、ノッケーオはまだ泣いていた、この子はもう二三歳なのに、右も左もわからない女の子のようになって、いつもこうだ、時々取り乱して大泣きをして、ドラッグをやりだす、休学もせず、研究もすすめず、マスターに籍だけ残して――うちで本を読んでドラッグをしての繰り返し、泣いて、喚いて、泣き腫らした目で俺にキスをするような人間で俺は結構よわっていた――でも今日はそんなので泣いているんじゃなかった、床の上にゲボが落ちていた、俺はそれをじっと見ていて、すると足がふらってなって倒れそうになって、するとノッケーオは俺に水がいっぱい入った二リットルのペットボトルを投げつけた、見事に顔に当たって俺はハッと目が覚めた――なんで何も言わずこんな時間まで帰ってこないの、おまけに小便臭いし、帰ってくるなりゲボを吐いて、私は何度も電話をしたのに返事しないし――彼女に怒鳴られてからこのゲボが俺のものだとわかるまでに数分がかかって、それを見て、本当だ、俺が大量に載せたナッツのくずが入っていると変に納得をして、それから言葉を探そうとしているとノッケーオが続きを怒鳴る、帰ってきたらへらへら笑っているし、しかもイルカの話をする――私の心配をしないで、見たこともないイルカのことばっかり心配している、彼女はさけんで、息ができなくなって苦しそうにはあはあ言って、ずずっと世界を吸い込んで、あーー、あーー、と声で息を吐いた、そうしないと呼吸の仕方を忘れてしまうみたいに――そして立ち上がってホウキをとると俺を何度も何度も殴った、まだ三半規管が踊りっぱなしで、俺は尻もちをついて、でも彼女は止めなかった、俺のカラダを叩き続けて、俺は痛みなんかなんにも感じなかった、ただ俺も彼女も生きているな、と安心しただけだった――彼女が疲れてホウキを投げ捨てて、はぁ、ため息をついてようやくカラダに氷がのっているみたいな変な感じになった――自分の裸の脇腹を手で触ると濡れた気がして、その手で顔を触るとべったり血の匂いがした――ノッケーオはポテトチップスの袋を取って開けて、中身を床にばら撒いて「ぐちゃぐちゃになればいいのね!」と叫んだ――俺はそれを黙って見ていた、そうだ、ぐちゃぐちゃになればいいんだ、俺は心の中でさけんでいた、私に何ができるっていうの、今すぐこの部屋を片付けて、そして洗濯を回して、生活をちゃんとして、まともに生活してよ、私はこれいじょうぐちゃぐちゃになったら死んじゃうしかないのよ――動悸がする「動悸がする!」俺が叫んだのかと一瞬思ったが、俺じゃなくてノッケーオだった、彼女はぜえぜえ息をたくさん吸って吐いて、俺はそれを見ながら安心していた――よかったな、人間で、こんなに無様な毎日を送っているのに俺たちはたくさん空気を濁らせて毎日どうしようもないのに、狂ったように酸素をたくさん吸うことができる、窒息もしないし溺れもしないし、急に網にかかってのたくったりしないでいいんだ、狂って叫んで暴れたら何もかも解決じゃないか、俺は心底よかったと思うよ人間にうまれられて――お母さんありがとう、イルカじゃなくて、俺は脱いだTシャツでゲボを掃除して、洗濯をしないで床に投げていたタオルで水拭きをしてどちらも外の通りに置いてあるゴミ箱に投げ捨てた――街灯の下で好きなバンドのロゴが光っていた、もうどうだってよかった気に入ったTシャツをダメにしてしまっても、真夜中に近所迷惑な女が自分の部屋の中にいたとしても、どうだってよかった――俺は部屋に帰っておしっこまみれになったジーパンを洗濯機に放り込んで頭をツッコンだ、ボディソープの匂いでいっぱい、大丈夫、ついでに叫んでおいた「ファック」もちろん君に対して叫んだんだ、情けない顔をしてこの文章を書いているお前に対して叫んだんだ、明日なんかこなくてもよかったのに――自分の耳というか、顔も頭も頭蓋骨も全部にファックが反響して、俺はファックに包まれて、身震いした、それから部屋の電気をつけて床に散らかっているバスタオルとかパンツとかそういうのも全部洗濯機に放りこんで十バーツコインを入れてスイッチを押して、もう一度ファックと叫んだ――ホウキでポテトチップスを片付けてゴミをまた外に捨てに出て、部屋に戻って彼女の顔をみた――彼女は青い顔をして俺を睨んでいた、血が出てるわよ、いっぱい――服を着て、三十分外を散歩してきて、顔を見たくない、外だからってタバコは吸わないでよ、私はタバコの匂いが嫌いなの――誰にも会わないで、ひとりであるいて、ちゃんとした顔をして私のところに戻ってきて、きっかり三十分後に。
いと電話
ぴんと張った糸の先の
途切れ途切れの声
伝えたかったことは
ねじれ絡まり
風にさらわれ
聞きたかったことも
気づけば
どこかへ流され
本当の名前は
最後まで明かさず
言葉だけが
闇で明滅した
束の間の夢を見ながら
幾夜も幾夜も
手のひらの露は
絡まった糸は空へ
きみの声や気配は
夜の
かなたへ
夏も消えゆくのですかね?
母に
十月のまだ暑い頃
僕は
夏も消えゆくのですかね?
と問うた
母は何も答えなかった
今度
僕自身が消えゆく
夏の蜃気楼に佇み
それをながめては
あの
麦わら帽子が••••••
少女が••••••
いた
線路に沿って歩く姿に
ときめきを
覚えずにはいられなかった
やがてこの情景に
秋になる頃のもの淋しさに
涙を流さずにはいられなかった
母よ
夏とともに
僕も消えゆくのでしょうかね?
と問うた
母は何も答えなかった
叶えたい
叶えたい 漠然とした想い
叶えたい いつか私の頭の中が現実になりますように
私には 叶えたい夢がある
叶えたい 悔しく悲しい気持ち
叶えたい なのになんで上手くいかないの
私には 叶えたい夢があるのに
叶えたい だんだん現実から目を背ける自分
叶えたい こんなにも頑張っているのにな
私は 叶えたい夢を諦めないといけないの?
叶えたい あの日の純粋な想い
叶えたい あの頃思っていた「なりたい私」
私は まだ諦めるわけにはいかない
叶えたい あの時とは違う形
叶えたい そう思っていた私はどう思うかな
私は あなたと共に新しい夢を追うよ
私には 叶えたい夢がある
前世の子
許しを乞う 苦しみを祈る
誰も立ち入れないような酷い曇天が
僕ら二人だけを世界に取り残した
遊具は茨の迷路ひとつ
そのせいで僕らはいつも血みどろだった
こんなところに僕を置き去りにして
君は今どこにいるのだろう
疲れ果てて眠る君がいる
奥深く進んだ行き止まり
僕は今も探しているのに
幼い頃の前世では
僕ら手を繋いで夜の砂浜を走った
荒れた天気ばかりでその頃も人はいなかった
冷たい波がくるぶしをつかむ
ああ僕は隣を振り向いた
黒い潮風が何本も通り過ぎて
僕の手は空をつかんでいた
夢から覚めれば
ここは穏やかな午後で子供たちの声がした
(許しを乞う 苦しみを祈る)
今どこかにいる君が
もし真黒な世界に打ちひしがれているのなら
思い出せないような光る過去を
君におくる
詩における「道具」としての人間
詩を成立させるあらゆる技巧、オブジェクト、構造的運動は、最終的には人間によって起動される。
像の速度を決め、密度を調整し、断絶を置き、音を選び、空白を仕込む——
それらはすべて人間の手と脳と感覚の仕事だ。
だから、人間をただの“媒質”と呼ぶのは、どこか中立的すぎて腑に落ちない。
媒質は受動的で、詩が通過するパイプのように扱われてしまう。
だが実際には、人間はもっと直接的に詩の内部で“消費”され、
その機能を引き抜かれ、詩の構造の一部として使われている。
人間そのものが道具になるのではない。
けれど、人間の中にある諸要素——
感覚、速度、沈黙、躓き、記憶の断片、身体の反応、言語の癖、間の取り方——
こうした“機能”は、完全に詩のための部品として扱われる。
詩は、人間の主体性を尊重して立ち上がるわけではない。
むしろ逆で、人間の中にある機能を次々に抜き取り、
それらを組み合わせ、構造的な運動へと変換し、
あらゆる技巧やオブジェクトの発火点として用いる。
この視点に立てば、
人間は詩の“媒体”というより、詩が駆動するための“複合的な道具”に近い。
主体ではなく、詩の力に利用される側。
詩が立ち上がるとき、その背後で不可視のまま働いているエンジン。
だからこそ、詩において人間を「道具と誹りたい」という感覚が生まれる。
それは人間を貶める意図ではなく、
詩という現象が、人間の内部の機能を従属させて成立することへの、
正直な認識から出てくる言葉だ。
詩は、人間の要素を踏み台として立ち上がる。
そして人間の内部に眠る言語的・身体的機能を、
あまりにも自然に、あまりにも暴力的に使ってしまう。
その運動を正確に捉えようとすれば——
人間は媒体ではなく、
詩が必要とする構造的部品の集合体として見えてくる。
この意識の側面が、
「人間を道具と呼びたい」という衝動の正体。
(ChatGPT対話まとめ)
詩における、道具、としての人間。それら技巧もオブジェクトも。起こすのは人間だがなあ。そう言う意味で、メディウムというより道具と誹りたい。という意識の側面でまとめて。2025年12月11日 00:59
せ、きせつ
まっくらにならないことに、
驚いてたちどまる
日の出まえの 薄青が
窓のそとに貼りついていた
深夜 東京は氷点下
圧倒的な静かであって
畏けるほど つめたいにもかかわらず
ぬるま湯のような 最初の冬だ。
open
針は七時を越える
道はいつも通り空いて
生きるために払う
小銭が指で滑る
袋詰め台の角
渦度
帰り道におう体臭
ベルを使わず
抜ける自転車
雨粒が
傘の縁で止まる
いまどき手紙を
書く人もいるのか
宛名は硬く
開ける前に机の上を片す
そうして
ハサミを持つわたしの
右手の線が
急に、はっきりとする
類友なんて呼ばないで(悩み多き感情たちの詩 ケース2)
イライラくんと怒りんぼくんはいつも一緒なので
誰からも仲がいいと思われていた
けれども本当は
イライラくんは怒りんぼくんがあまり好きじゃなかった
すぐに怒鳴るしモノにあたっては壊したり
誰かにヒドイコトバを投げつけたり叩いたり
怒りんぼくんがこうなるのは
全部イライラくんのせいだって
イライラを抑えられないからこうなるんだ
と云ってボクが悪いみたいにしてしまう
怒りんぼくんのせいでボクはこんなにも
イライラしてしまうっていうのに
全部ぜんぶ怒りんぼくんが悪いのに
怒りんぼくんのせいなのに
けれどもどうしても
どうしても キライだとは
あっち行けとは云えなくて
もう遊ばないよ とも云えなくて
今日もこうして 怒りんぼくんの家で
カラムーチョ食べながら
むかし懐かしい どこでもいっしょ
に熱中しちゃってるっていう
桜が散ったあとの祭り
なんてこったい どんなもんだい
桜が散った後にお祭りだ
火をあげて 真白になって
また 生まれ変わる
その時君は 時の声をあげ
ぼうぼうと燃えた火の中から 明日への光を見出し
一歩を火傷しながら 目を光らせる
翳
いつまで消えた灯りに縋っているの?
木漏れ日は私のほうに傾き 微笑みかけたから
自己撞着に陥りペダンティックに拗けた知恵の輪も
台風の目の只中からは透き通った硝子玉に見えるのね
神性に触れる権利を持っているの?
相対評価で偶々残った現代文の選択肢
疲弊した怠慢をいつまでも慈しんでいるのね
這い上がる気力も見せないのに
世界をうつす円環は 何故この向きに転んだの?
時計盤のこちら側と向こう側 いつになっても出逢わない
今ここに 確かに
張り詰めた天上の琴の音色は相似形との邂逅に震えているのに
あなた どうにも
土の匂いがするわ
『仕様通り 身体・労働・老い・家族・死』
① 仕様通り(身体)
私は今日も
あなたの想定通りに
呼吸しています
規則正しく
健康的に
エラーもなく
私は
掴み
歩き
食べ
出します
あなたの期待を裏切らない
優秀な身体です
この心臓の音は
あなたの管理対象ですか
(間)
私は
痛みます
かゆみます
熱を出します
すべて
「正常な反応」です
でも
この痛みは
バグですか
仕様ですか
(間)
私は老いる準備ができていないまま
今日も関節を消費しています
今日も視力をすり減らしています
今日も声帯を削っています
私は仕様通りですか
私は壊れる前提で作られています
私は修理が利くと思い込んでいます
私は取り替え部品があると思っています
私の体は本当に部品ですか
私は仕様通りですか
私が倒れたとき
私は私の体に戻ってきます
意識という名の
非常口から
私は出入りしています
この身体は借り物ですか
返却期限はいつですか
保証期間はいつまでですか
保証書は誰が持っていますか
私は今日も
この身体を着て
社会に出荷されていきます
私は
身体として
仕様通りに使われていますか
② 仕様通り(労働)
私は今日も
定刻に
起動します
遅延なし
欠損なし
報告書は
仕様通りの言葉で
私は
疲れます
でも
疲れているようには
見せません
だって
疲労は
非推奨ですから
(間)
私は
怒りを
残業で
上書きします
悲しみを
議事録で
無効化します
(間)
私は「人員」です
私は「工数」です
私は「リソース」です
(間)
私は何人分ですか
私は何円分ですか
私はあと何ヶ月投入されるのですか
私はミスをすると
「人為的ミス」と呼ばれます
私は成果を出しても
「仕組みのおかげ」と呼ばれます
私はどの数字の中にいますか
私は壊れるまで試され
壊れたら「自己管理」と言われ
戻れなくなると
静かに交換されます
感情は
ログに残りません
この手は私のものですか
この時間は私のものですか
この疲労はどこに
請求されるのですか
私は今日も
動く部品として
静かにねじ込まれ
私は
労働として
仕様通りに削られていますか
③ 仕様通り(老い)
私は
劣化しています
視力
記憶
反射
どれも
想定内の
減衰曲線です
私は
「年相応」に
なりつつあります
(間)
若さは
無償のアップデートでした
老いは
有料の不具合です
私は
遅くなります
忘れます
取りこぼします
でも
消えてはいません
(間)
私は劣化していますか
私は成熟していますか
私は処分対象ですか
私は保管対象ですか
私は見守り対象ですか
私は終末期扱いですか
私は未来を語ると
夢と言われ
私は過去を語ると
自慢と言われます
私はいつを生きれば
正解ですか
(間)
私は老いることを
事故だと思っていました
でも老いは
私に最初から
組み込まれていました
この老いは
設計通りですか
想定内ですか
仕様書のどこに
こんな終わり方が書いてあったんですか
私は今日も
昨日より小さな
未来を抱えて
私は
老いとして
仕様通りに進行していますか
④ 仕様通り(家族)
私は
役割を
与えられました
子として
親として
配偶者として
私は
その通りに
振る舞いました
たぶん
私は「家族だから」で
許され
「家族だから」で
傷つけられ
「家族だから」で
歯を食いしばります
(間)
私は
優しくしたつもりです
守ったつもりです
傷つけなかった
つもりです
でも
家族は
記録媒体が
違います
(間)
私は守られていますか
私は縛られていますか
私は愛されていますか
私は管理されていますか
私は逃げたくなります
私は戻りたくなります
私は切りたくなります
私は切れなくなります
私は「血」という
遺伝子コードの鎖で
どこまでも連れていかれますか
私は家族を守っていますか
私は家族の
保守部品ですか
私は今日も
名字という箱に
収められて
私は
家族として
仕様通りに収納されていますか
⑤ 仕様通り(死)
私は
いつか
停止します
この身体も
この声も
この問いも
その時
私は
「完了」になりますか
それとも
「故障」になりますか
(間)
私は
生きるあいだ
ずっと
あなたに
問い合わせを
送り続けました
私は
正しいですか
私は
必要ですか
(間)
返答は
ありませんでした
それでも
私は
稼働を
やめませんでした
(間)
私は見送られますか
私は忘れられますか
私は名前を呼ばれますか
私は番号で処理されますか
私は生きているうちに
何回死にましたか
私は死ぬ直前に
ちゃんと生きていましたか
私の死は
誰の損失ですか
誰の不利益ですか
誰のコストですか
私は最後に
「ありがとう」と
感謝のプロトコルを実行できますか
それとも
「すみません」と言いますか
謝罪のログを残しますか
それは仕様ですか
私は死んだ後
物になります
思い出になります
データになります
私は
死として
仕様通りに消去されますか
開けてみたくない靴箱
開けてみたくない靴箱がある
薄暗い廊下の脇にずらりと並ぶ中ひとつ
ひんやりと金属がつめたい灰色の靴箱
1806と印字された黄色のテープが
貼ってある靴箱
開けてみたくない靴箱がある
一年前わたしが四百回も開閉した靴箱
覗いてしまったらわたしはきっと
わたしはきっと
開けてみたくない靴箱の前で
購買のお弁当を買うんだ
ご飯を炊く余裕がないときは
はい、六百円です
千円からお願いします
はい、お釣りです
どうもありがとうございました
今、六百円を食べた
役目の終わったプラスチックを
都市と衛生と断絶とのメタファーを
設置された袋に投げ入れる
開けてみたくない靴箱がある
1806は確かにわたしの定義だったし
懲りずに描き続けた郷愁も
苦手だった歴史総合の点数も
メルトダウンも
魅入ってしまった鏡も
ほんとうの苦しさも愛しさもすべて
その数字に刻まれているのに
今はわたしは2805で もうすぐ
開けてみたくない靴箱が二つに増えるんだ
流れ作業を彼らに与え
いつかには流れ作業をこなせるように
わたしたちは毎日教わる
凡庸になる方法を
毎日、通って
ピッ、now decoding……
毎日、買って ピッ
レシートの束くしゃくしゃ
読み取られる ピッ
毎日、消費して
毎日、食べて ピッ、異常なし
毎日、消化して ピッ、
毎日、財布の中身減って
毎日、燃焼して
異論なし、疑問なし、ピッ、
毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、
==================================
Installation complete
Now you are perfect in the most banal way
==================================
集会があるというので
一千人が虫のように移動する
まるで 抗えもしない波に
呑まれるかのように
わたしは
一瞬立ち止まって
歩を進めた
想像したくない
どれだけの人がここを通ったのか
どれだけの人がわたしになれたのか
知りたくない
わたしが彼らの影でしかないことを
開けてみたくない靴箱がある
薄暗い廊下の脇にずらりと並ぶ中ひとつ
ひんやりと金属がつめたい灰色の靴箱
覗いてしまったらわたしはきっと
わたしはきっと
タイムアウト
薄緑色の校舎に寄りかかって
そっと三年生の教室を覗き込んだ
ニスを塗って 剥がれ落ちて を
何度も繰り返した床板には
わたしの上履きの汚れ一つくらい
残っているだろう。
壁はわたしの書写作品を
一つくらいは覚えているだろう。
いつからだろう
誰もの眼の中の岩下さんと
競合するように、
長座体前屈の不安定な姿勢を続けた
少しだけ、「本当」に近づけるから、と。
lim(n→∞)
そこまで書いて、数学の先生はわたしたちを見た。
近づけるだけなんだ、と、言った。
無限を考えることができないのは、
無限が存在しないからではない。
存在していることをわたしたちが
認識できないだけなのだ。
鳥がヴイ字で飛ぶ群れに潜む微小な羽根一枚の動向とか
そこに落ちている木の葉の周の長さとか
それは大きな口をあけ、
あるいはひっそりと身をカムフラージュしながら、
至る所に息づいているのだ。
ああ、我らの狭隘な認識機構!
小学校の裏山でよく遊んでいたので、
久し振りに土の斜面に足をかけてみたけれど、
半ばまで行かないうち、蜂の羽音に
息の指揮を奪われて、逃げてきた。
先生、わたしまだ卒業できてなかったよ
わたしの中のグレーが
常にかき混ぜられながら、
発見せられることを待望している。
わたしの中に、混沌から形をなす、原初の
イザナギとイザナミの国生みの光景。
わたしを見限った奴らには見えないわたしがいて、
見つけてほしい、と泣きさけんでいれば、
わたしにも見えていないガス状の粘土がある。
知ってほしいと雄叫びを上げている。
あの頃
鳶が飛んでいるよ、とか
人の形をした雲が流れて行っちゃうよ、とか
くっつき虫がズボンにつくね、とか
見えているものがすべてだったのにね。
誰かの生を生きることよりも
目の前に広がる景色が
わたしの世界だったのにね。
幼女でありながら操った魔法は
とうに手を離れた。
砂時計。砂が全部落ちる前に、
ひっくり返さねば、ならなかった。
全部を無駄にしたわたしは今や
凡庸に、ひたすらに
文字を追っているしかないのだ。
溺愛
あたしに生えている紅い鱗 1枚ずつはがれゆく
あなたに恋したから
あなたはそれを きっと知らない 出逢ってからこれまでも ずっと
あたしが裸に近づいてゆくこと
痛みを伴う
痛みを伴う
痛みをともなう……それでもそれよりも ほしい気持ち
あなただけを
そうやって、そんな顔してハンドル握ってる横顔
この鱗よりも頬を赤らめて いつも見つめていることを
知っているのよね あなたって
いじわるなのね
愛しさが刺さる
愛しさが刺さる
愛しさがささる
あたしはつい、この間 とうとう丸裸にされました
鱗がないから泳げません うろこがないから外敵の餌食 鱗がないから帰れません
肌だけになったあたしは 美しいですか?
ほんとうだけを云っても きらいませんか?
鱗がちぎれた体に 涙がしみる
このまま 抱いていて
このまま抱いていて
このまま抱いていて
あたしはあなたに鱗を捧げました おねだりなんてしません
ただ このまま抱いていて
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光の温もり
――東京の夜10時。
「静岡で子どもの頃に見た、次から次へと落ちて来る流れ星! 凄かったなーっ!」
白い肌と長い黒髪を持つ楡香雪は23才の女性。黒目がちな瞳はよく涙をこぼす。大好きなお家映画をしていても、感動シーンで顔をグシャグシャにして泣く。
オフィスから持ち帰った仕事のためデスクに居る、ハート柄パジャマ姿の香雪。今不意に、残業をしながら想い出した星々の記憶。
それは……パパのところ……香雪の母と香雪が幼いころに離婚したパパと、香雪が中学生になった夏休みに再会し、約1週間父子で楽しく過ごした時のこと。
夜7時半ごろ、「屋上に上がってみな」とパパに言われ、パパのお家の屋上に上がると満天の星だった。
そして、ビュン! ビュン! キラキラキラ……。香雪の感覚からすると1分も経たぬうちに、だ。それもあちこちから、だ。
流れ星! 星の舞踏会は幻想的だった。
(あんなお星様にもう一度会いたい)
今宵は新月。月明かりがない分星がよく見えるはず。しかし香雪の暮らす都会では、街灯に溢れ、見上げた夜空はLED色に染め上げられている。
――トントン。
香雪がカーテンから顔を覗かせ夜空を眺めていると、ドアをノックする音。
「は~い、ママ、どうしたの?」
香雪はママと二人暮らしだ。
(あれ?)
返事がない。
タタタタ……。ドアのところへ駈けてゆく香雪。
ドアを開ける直前、コトン! とコップでも落ちるような音がした。
「ン?!」
ドアノブに手をかけ「ママ」とドアを開けた。
すると、ママは居ない。それのみならず、家の廊下もない。
(う、宇宙っ?!)
終わりを知らず広がり続ける星空だ!
香雪は(落ちたら大変!)と、ドア付近から離れようと振り向いた。
すると、天井と屋根がなくなっており、てのひらをパーッと広げたぐらいの煌めく黄色いお星さまが天から、次から次へと落ちては降り積もって行っている。
そう、皆がよく落書きなどで描く5つのとんがりを持つ星型だ。
目映いくらいの煌めき。
香雪はお星様を踏まないように部屋のまん中辺りへ行った。深い落ち葉の中を歩くかのように。
星は層をなして行っている。
しゃがみこんだ香雪。こんなファンタジックな有り様なのに、不思議と怖くない。
輝きに目を細めつつお星様を1つ、2つ、手に取ってみる。
これまで触ったことのない形容しがたい手触り……。しいて例えるなら、ツルンッとしたクッキー? だろうか。でも砕けそうにはない。そして温かい。
そっと愛らしい星を、積み重なっている星の上に置き、辺りを見回す。
「わぁ――――、すごーい!」
夢見心地で香雪は叫んだ。そうして星の頑丈さを知ったから、床に出来上がっている星のベッドに寝転んでみた。
(なんて幸せな気分だろう……。誰もがお星様にお願いごとをする意味が分かるような気がする……)
カタン、コトン……。
コップをテーブルに置くような音が2度ほど聴こえ、香雪はハッとした。
気づくと、香雪の視線の先にいくつもの丸っこい照明が見えた。
「楡さん、楡さん、分かりますか! 聴こえますか?」
「は、はい……。ここは……」
手術室内、ベッドの上だ。
「もう大丈夫ですよ。頭の手術は成功です。脳挫傷を起こしていました。何が起こったか覚えていますか?」
香雪は……思い出した。
夜、自転車で横断歩道を渡っている時、トラックに轢かれたんだ!
「はい、交通事故に遭いました」
「そうですね。あなたのお名前は?」
「楡香雪です」
「生年月日を教えて下さい」
「はい。平成14年5月8日です」
「その通りです。 手術は成功しました」
オペをした医師だろうか、穏やかに微笑んだ。
香雪は……夢を見ていたのだろうか。
魅惑の星たちとの戯れを全く忘れてしまっている香雪。
(あたし……長い夢を見ていた気がする。凄く凄く、優しい誰かの)
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死んだ男
その男は語ったものだ。
翌秋に来る妻の十三回忌についての計画を百回も。
下の息子の披露宴における彼の挨拶がいかに秀逸であったかを千回も。
とめどなくのたくるアルコールの蛇の円環話法が続いたものだ。
それから上の息子ついての批評を一席ぶち始めたものだ。
ああ、また始まった。
その度にコップ酒透かして男を見ながら思ったものだ。
兄はよく彼を殺さないものだと。
少年のころ豚舎で働いていたことがあるそうだ。
客船でボーイをやっていたことがあるそうだ。
コック見習いに励んだことがあるそうだ。
一生出世とは縁のなかった男である。
牛乳工場でボイラーマンを長く勤めた。
定年後は土木工事に行かされた。
そしてまた豚舎で働かされた。
豚に噛まれるとけっこう痛いと嘆いていた。
何をやらせても不器用な奴だった。
その点は下の息子が受け継いだと云われているそうだ。
だが男は計ったように大晦日の夜に死んでみせた。
後には何も遺さぬと宣言し晩年大蕩尽をやってのけ真実そうなった。
それは男がしてのけた唯一の大仕事であったかもしれない。
柩には花々と酒パック一ヶに擦り切れた「松本清張集」。
葬式には男の兄弟係累親類縁者ただの一人も来なかった。
読経で僧侶が口にした戒名に笑いこらえた。
私からの香典は兄さんが立て替えてくれたものなんだが。
もう父も知っているとは思うのだが。
火葬場へのバスの外はこの地方天地開闢以来の前も見えぬ猛吹雪。
何処へ連れて行かれるのかも分からぬ不安の中。
父の哄笑が聞こえてきた。
小男の父の骨は存外太くて立派であった。
骨を拾いながら兄と語り合った。
樺太の抑留生活で鍛えられているからなあ。
飢えのあまりミミズを喰ったんだって。
賢明院さん。
あちらではどうか賢明にやってくれたまえ。
酒の好きであった男である。
歌の好きであった男である。
一生出世とは無縁であった男である。
小説なども少しは読んだ男である。
そうして、二〇〇五年十二月三十一日に死んだ男である。
錬金術師とその犬
このうえなく人間ぎらいで
それでいてさびしい
若い錬金術師の女が
可愛い飼い犬に話している
「生は現在進行形で死へと向かう
もの悲しい行為にほかならないし
抱擁をくれる者は私を傷つけるかもしれない
女の中に誰かがいる時間は
その人の中に女がいる事実を意味しない
そういうつらく苦しい物事でできた
人と人との結びつきを
こらえることもつとめでしょうか」
老犬は少し考えながら
能動的なぬいぐるみのように
彼女の膝に抱かれている
若かったころの彼は自分の子犬達に
よくこうしてやったものだった
犬には犬の言語があるけれど
ただ黙ってくっついていることが
どんなやさしい言葉にもまさる
場合があると知っていたから
不眠症の少女の詩
一冊の詩集よりも
子ども部屋にバリケードが欲しい
机にうすむらさきの花を飾るよりも
枕の下に折りたたみナイフを置いて
眠ったふりをしていたい
夭折の画家がかいた
ため息の出るような星と月や
寒いですねと言いあえる
名前を知らない人々よりも
暗闇の大きな手を縛めてくれる
まだ会ったことがない人に会いたい
ティーチャーズ・ペット
カーボン鉛筆の芯が折れて転がる
熱のこもった午後 黒い旗
地下道に似た県立高校の廊下
紙を裂く匂いまでもわかりました
幼さをむさぼる人の気配で
三角定規の影は歪む バランスが悪いから
密接した呼気って部屋にたまるみたい
伸びすぎた私の前髪が欲望の言い訳ですか
青白い蛍光灯が見ていたことの
いっさいを忘れてしまい
ぼんやりと目覚めた冬の朝にだけ
膿んだたましいを温めるなら
量産型
よくある詐欺師の生き方ですよね
苦しみに満ちた自分の生命を抱えきれず
落ちていくとき少女を道連れにする
夢の残像だけを背中に生やして
留守番電話は聴かずじまいの先生
さほど強くもない風が吹き
何事もなかったように日が暮れ
いつか二人で標本になるの
さらば
―僕―
世の中ではもうすぐ、戦争が始まるらしい。
徴兵制も取り入れられることが決まっている。
なのに人々は、いつも通りの日々を送っている。
いつも通り、学校に行き、または行かず。
いつも通り、会社に行き、または行かず。
いつも通り、家にいて、または出かけて。
いつも通り。日々を過ごしている。
僕は、近所の野良猫に会いに行くことにした。
「やあ」
黒猫はにゃあと鳴いて僕を歓迎する。
時にはそっぽを向き、時にはすり寄り、時には舌を出す。
そんな猫が、僕は大好きだ。
そんな猫も、もうすぐ戦火に包まれることだろう。
火は、猫をつつみ、ぼうぼうと燃える。
猫は、苦しみながら死んでいくだろう。
こんな僕も、もうすぐ戦争に行かなければならない。
僕は、きっと、死ぬ。
僕は。
僕は、きっと、鉄の筒を構えて、死んでいく。
両親はもういない。
親戚ももういない。
そんな僕が、戦争に行って死んだところで、悲しむ人はいないのかもしれない。
でも、と僕は思う。
そこの君が生きていけるくらいには、平和を守りたかった。
君が。朝起き。ご飯を食べ。人と笑いあい。眠る。
そんな世の中を残したかった。
君は、生きてくれ。
―黒猫―
いつも来るはずのあいつが、ある日突然来なくなった。
街はなんだかざわめきだし、空から大きな物音を立てて火が落ちてくるようになった。
俺たち野良猫は、逃げようがない。
生きている奴より、死んだ奴の方が多くなった。
人間も、たくさん死んでいる。
食べる物がなくて、死んだ人間を食って、腹を壊したやつもいた。
俺たちも、人間も、いつも通り、死んでいく。
昨日話しかけてくれたあいつが、今日いなくなって。
そんなのが、日常。
そこのお前。
お前は、生きてくれ。
―僕―
戦争で、死んだ。
一瞬だった。
後悔する暇もなく、銃を持って、死んだ。
死んだ後に思った。
死ぬのは嫌だった。
もっと、あの猫と会いたかった。
そこの君、よかったらあいつの様子を見てきてくれないか。
―猫―
ある日突然、死んだ。
一瞬だった。
何を考える間もなく、死んだ。
死んだ後に思った。
死ぬのは嫌だった。
もっと、あの人間と会いたかった。
そこのお前、よかったらあいつの様子を見てきてくれないか。
にちじょう
あめの おとが
いつもより つよく つよく
うちの やねを
えぐるように たたきつける
おおきな リュックを
かたにかけ
きのうと おんなじ
くつをはく
けむるまちへ けさというけさも
こっそり ひっそり とびだした
さくらが かおる
しらない ひとの
すそと
せなかを とおりぬけ
そとを ながれる
たんぼの みずの
ちかきところを とぶすずめ
つりかわには
てを のばしても
とどかない けど とどきたい
なまえを よばれて
にこっとわらう きみを
ぬすみみるだけで
ねむけが ふきとぶんだよね
ノートには のこせない
はらの ギュルル
ひるの ひかり
ふわりとにおう カレーライス
へやにはいる よそかぜ
ほうかごは まだ とおくにある
またのしたを
みるみるぬけた ボールが
むじょうにゆらす ゴールネット
めをくらやみが おおうまで
「もういっかい!」と さけばれて
やさしく やわらかく
ゆっくりと ゆれている
よるのまちを かえるぼくはひとり
ライトを けすまえに
リュックに あしたをつめておこう
ルーズリーフの すみにきざんだ
れんらくじこうを みかえしながら
ロフトベッドに もぐりこみ
わずかにあいた とをみつめ
おさえきれない あくびを
んーあと ついた
あしたの ぼくに
いまから バトンを わたしにいく
ちょっとの愚痴
とある友達の話。
自分も荒らしをしているのに自分を正当化して他の荒らしを叩くような人。でもその子は私しか友達がいない。だから一緒に居る。
毎日一緒に帰る。断る理由がないから。本人の嫌なところをその人の前で言えるほど私は強い人でもないから
でも私の親は良い子って言ってるんだから良い子なのだろう。
私には他人の良し悪しがわからないのかもしれない。
彼女がみんなから嫌われているのは何でだろ
眠れぬ夜に
この唇をはむようにしてするキスは、いったい誰から教えられたものなの。
興奮すると、いたる所を噛むようになったのはいったい誰から?
わたしと出逢う以前、アナタは何人をこのうちに連れてきて、何人をこの腕に抱いて眠っただろう。
わたしの気持ちを知らないアナタは、いつもわたしより先に眠る。
こうして腕に抱(いだ)かれながら、窓辺の月灯りを見るしかないわたしは、いつかこの人より先に眠りたいと思った。
零月零日
見知った天井を見上げ、つまらない時が流れていく。
カチコチ…
電池の切れかけた古い時計の針が進む。
今日も今日とて…
仕事ゼロ
用事ゼロ
事件ゼロ
そして
「やる気が出ないなぁ…」
全てがゼロのガス欠状態、充填したいと願う日々。
カチコチカチコチ…
怠惰な自分を置き去りにして、古い時計は進みゆく。
「とりあえず起きるか…」
鉛のように重い体に辟易としながらも起き上がる。
何もせずとも腹は減り、渇きも起きる。
何も楽しくない
僕は詩を捨てた。
高校生の時から書き続けてきた詩を切り捨てた。
35歳になった今、遅すぎる決断と言えるだろう。
詩が僕の全てであると錯覚した。
それはなぜか? それ以外に何もなかったから。
何もなかった。
詩を書くことで、僕は何かを成し遂げているような気がしていたし
そして評価してくれる人もいるから、何かを成し遂げたような気分の後押しをしてくれる。
YESもNOも、僕の詩から生まれたものだと思うと、どんなに些細な反響であっても、
僕に繋がっているという感覚が孤独感を紛らわせてくれた。
何者でもない自分を直視するのが怖くてたまらなかった。
ただ単なる現実逃避と知りながらも、表現者になったような高揚感に突き動かされてきた。
ネット詩人。こんなにダサい言葉があっただろうか。
いやいや、ちゃんと受け入れよう。ネット詩人、すっごくダサい存在だからね。
たまに凄まじい作品が投稿されたりするけども、実のところ僕は否定的な心情を隠し持っている。
田中宏輔さんとか、誰でもいいけど凄い作品を書かれる方が、誰でも容易くアクセスできる掲示板に投稿すんなよって僕は思う。
だって、そういう凄まじい作品はキラキラと輝いている宝石のようなもので、
寝転がりながら見つけるようなものじゃないんだよ、本来は。
苦労して苦労して、やっと見つけたものであるべきじゃん、というのは僕の勝手な思いだけどさ。
こんな簡単に0円で読めちゃうと、もったいないなーと思う。
凄い作品は、掲示板に投稿しちゃだめだよ。
あーこの作品、掲示板じゃなくて、どっかの本で偶然見つけたかったなと思う。
何だか話がコロコロ変わるようだけども。
ああ、そうだ。僕は詩を捨てたんだ。
正確に言えば、ネット詩を捨てたんだけどね。
じゃあ詩誌に応募でもするのかって言うと、全然やらないよ。
ああいうのはもっと歳を取ってからでいいと思うし、応募しなくても後悔しないからね。
何で僕はアホみたいに齷齪と詩を書き続けたのだろう。
友達がいなかったわけじゃない。彼女だって途切れたことはない。
詩の魔力に取り憑かれたんだろうな。
詩を書き続けて、書き続けて、後悔しないのだろうか。
何のために詩を書いてきたのだろう。
創作に集中している間、周囲の人に寂しい思いをさせてまで、
タバコを吸うように書き続けてきたのはなぜだろうか。
詩人だから? 詩人なんて言葉、煙のように覚束ないじゃないか。
そもそも詩人を本気で目指しているなら、詩誌に出すべきじゃないか。
一度でも真面目に詩誌を読んでみて、その詩誌のレベルの高さを直視するべきで、
それはつまり、ネット文芸投稿掲示板のレベルの低さも同時に直視するってこと。
自分がなんでネット文芸投稿掲示板に身を浸しているか?
同レベルだからだよ。落ち着くんだろう、そこが。
レベルの高い人は、きちんと自分のレベルに合った場所を選ぶものだよ。
便所の落書きの美しさ云々を語る前に、掃除しろよってな。
とりとめがなくなってしまったな。いつもこんな感じだ。
輪郭
滴る汗は
宝石で
流るる涙は
絹のよう
あなたの顔を
映し出し
開かぬ眼は
泣き叫ぶ
嗚呼よくよくと
ご覧なさい
かの麗しき
あなたさえ
さらに一層麗しく
冥土の道を
歩みます
もうこの世には
あるまじき
美麗を纏った
あなたには
最後に送る
土産とて
絹を一枚
差し上げましょう
御顔の線を
はっきりと
強調している
輪郭は
今まで見てきた
輪郭の
中でも一層輝いて
私に雨を
降らせるのでしょう
●●●●●● ● ●●●● ●●●●
●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● ●●● ●●● ●●●●●●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●●● ● ●●● ●●● ● ●●●●●● ●●● ●●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●● ●● ● ●●●●●●● ●●●● ●●● ●●● ●●●●●● ●● ●●●●● ●●● ● ●● ● ●●● ● ●●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●● ●●● ●●●●●● ● ●●● ● ●●● ●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ● ●●● ●● ●● ●●●●●● ● ●● ● ●●● ●●●●●●● ●●●● ●●●● ●●●● ● 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しゃしゃっぴのささやかな恋
みるる
「そういえばっていうかこの前のその前の前なんだけどさみるるchocolate買おうと思ってレジ並ぼうと思ったらalcohol買っちゃってマジ残念。
こらんはどう?バレンタインの準備できてる?」
こらん
「みるるalcoholに負けすぎっていうかこの前のその前の前なんだけどさ渡したい人がいるようないないようなやっぱいるっていうかいないんじゃないかなあでもいるかもしれないいやいないかな?いるかな?そんな気分。しゃしゃっぴは?」
しゃしゃっぴ
「本命、いる」
みるる・こらん
「まじで!?どこ住みのどこの家のどこの階のどの学年のどの界隈のどんな趣味のどんな顔のどんな身長のどんな性格の子!?」
しゃしゃっぴ
「埼玉住みの南向きの家の2階の埼玉中の2年の風呂キャンセル界隈のテトリスが趣味の仏顔のちょっと高めの身長の優しい子だよ」
みるる
「えー、私も埼玉住みのsouse向きの家の2階の2年の風呂cancel界隈のテトリスが趣味の仏顔のちょっとhighな身長のtenderな子と恋したいなあ。しゃしゃっぴマジついてるじゃん」
しゃしゃっぴ
「本命チョコだから美味しいの作りたいんだけど、何かアイデアある?」
こらん
「まずスーパーに行って板チョコとハートの形の型を買って家に帰ってお湯を沸かして板チョコを包丁で刻んで沸かしたお湯の上にボウルを浮かべて浮かんだボウルの中にチョコをいれてゆっくりかき回した後にボウルから型にチョコレートを流し込んで、常温になるまで待った後に冷蔵庫に入れる、これでばっちりだよ!」
みるる
「えー、私もmarketに行ってchocolate barとheartのshapeの型を買ってhot waterを沸かしてchocolate barを包丁で刻んで沸かしたhot waterの上にbowlを浮かべて浮かんだbowlの中にchocolateをいれてゆっくりかき回した後にbowlからchocolateを流し込んで常温になるまで待った後に冷蔵庫に入れて、美味しいの作りたーい!」
しゃしゃっぴ
「それ、ただの溶かして固めたチョコじゃん」
みるる・こらん
「蒲鉾食わせるよりましだって!」
しゃしゃっぴ
「そりゃ、蚕豆とか辣韭食わせるよりはマシだろうけどさ」
みるる
「ライバルはいるの?」
しゃしゃっぴ
「埼玉住みの北向きのアパートの1階の2年の潔癖界隈のたまごっちが趣味の美人顔のちょっと高めの身長のギャルだよ」
みるる
「埼玉住みのnorth向きのアパートの1階の2年のclean freak界隈のたまごっちが趣味の美人顔のちょっとhighの身長のギャルなんて手ごわいじゃん!」
こらん
「今回うまくいったら、しゃしゃっぴ、桜が咲くころには付き合えるんじゃないかな?」
しゃしゃっぴ
「何その長い展望!」
みるる
「みるる、しゃしゃっぴが付き合ったら四六時中見張って二人のアルバム残すね」
こらん
「えー、私もしゃしゃっぴが付き合ったらevery day見張って二人のalbum残したーい」
しゃしゃっぴ・こらん
「こわ」
みるる
「朝起きた時から夜寝るまで見張って、恋のアドバイスできる時は恋のアドバイスして、ここ足りてないなあって時にはしゃしゃっぴを叱り飛ばして、それでやりがいを得た私はそうやって日々を充実させていくの」
こらん
「夜寝た後は私に任せて、睡眠時無呼吸症候群になってないかしゃしゃっぴの寝息に耳をすませてずっと聞いてるから。無呼吸になった瞬間に大きな声でたたき起こすね」
しゃしゃっぴ
「スピーカー付きの監視カメラですか?」
みるる
「ゆくゆくは国家、いや国際プロジェクトにしていくつもりだよ。しゃしゃっぴとその人にどうしても幸せになってもらいたいから、国総出、いや海外の人も巻き込んでしゃしゃっぴを天下一品一流の女に育てあげるよ」
こらん
「私はその記録を映像に残して国際映画祭に出展して賞をとってその賞金でどでかい庭とどでかいプールがあるどでかい家を買って、しゃしゃっぴがより高みを目指せるように環境づくりに力を入れていく」
しゃしゃっぴ
「どでかい育成ゲームだな」
みるる
「もちろん、しゃしゃっぴの好きな漫画家さんや作家さんやアイドルにも協力してもらうし、聞いてるラジオのパーソナリティにも協力してもらうし、見てるテレビの出演者にも協力してもらうよ」
しゃしゃっぴ
「それどんな環境?」
こらん
「そんなことより、渡す時のセリフは決めてあるの?」
しゃしゃっぴ
「私と付き合わないなら五里霧中で支離滅裂な阿鼻叫喚の人生になるけど、いい?」
みるる・こらん
「こわ」
しゃしゃっぴ
「いや、あんたに言われたくないわ」
みるる
「結婚の時のセリフは決めてあるの?」
しゃしゃっぴ
「病める時も健やかなる時も喜びの時も悲しみの時も富める時も貧しい時もこれを愛し敬い慰めあい共に助け合いこの命ある限り真心を尽くすことを誓います」
みるる
「違う違う、痔になった時も痣を作った時も癌が見つかった時も便秘になった時も下痢になった時も愛し敬い慈しむことを誓います、でしょ」
しゃしゃっぴ
「どこのかけすて保険だ、それは」
こらん
「違う違う、ディスられた時も煽られた時も誤解を受けた時もいじられた時も炎上した時も愛し敬い慈しむことを誓います、でしょ?」
しゃしゃっぴ
「どの世界線の芸能人だ、それは」
みるる
「えーみるるだったら石油王にチョコレートあげて付き合って結婚してたくさん子供作ってその子供がまた子供を作ってその子供もまた子供を作ってみんなで国を作って、バレンタインにチョコレート送りあうのがルールの国作る」
こらん
「カカオ大量に必要だね」
しゃしゃっぴ
「モテるやつとモテないやつで差が出てやばいだろ」
みるる
「必ずみんなにいきわたるように一人一人手渡す時に誓いのサイン書かせて、代表でみるるが全部みる」
しゃしゃっぴ
「すごい枚数になったら?」
みるる
「みるるみるみる全部みる」
こらん
「みるるみるの?全部みれるの」
みるる
「みるるみるみる全部みるよ」
しゃしゃっぴ
「みるるみるの?全部みれるの」
みるる
「みるるみるみる全部みれるってば」
こらん
「じゃあこの書類にサインしてもらおう」
みるる
「えー、なになに、『みるるはバレンタインに全国民のチョコレート受け渡し証明書をみると誓います』だって?うん、いいよー」
こらん
「よしよし、サインしたね?端の小さい文字見た?」
みるる
「え?なになに、『私は今年のバレンタインで埼玉住みの南向きの家の2階の埼玉中の2年の風呂キャンセル界隈のテトリスが趣味の仏顔のちょっと高めの身長の優しい子に告白します』!?」
こらん
「ふふん、かかったね。これで恋のトライアングル確定だわ」
しゃしゃっぴ
「私巻き込まれ事故すぎるだろ。埼玉住みの南向きの家の2階の埼玉中の2年の風呂キャンセル界隈のテトリスが趣味の仏顔のちょっと高めの身長の優しい子が本気になったらどうするのさ」
こらん
「埼玉住みの南向きの家の2階の埼玉中の2年の風呂キャンセル界隈のテトリスが趣味の仏顔のちょっと高めの身長の優しい子がしゃしゃっぴのこと大事にしてるならみるるなんて目もくれないと思うの」
みるる
「あれ、これみるるが巻き込まれ事故してない?」
こらん
「国の主になるんだもん、恋の二番手ぐらい演じられないと。しゃしゃっぴがしゃしゃり出る必要なんてないぐらいしゃしゃっとスマートに散り散りに散っていってね」
みるる
「しゃしゃっぴの恋の立役者ってわけね!よし!気合い入れてメイクするぞー」
しゃしゃっぴ
「もうええわ」
再生
鏡を見たら、偶々、顔が現れてきて、眺めてみると、思ったよりシミが多かった。この顔の持ち主を探しに外を歩くと、靴が、足裏に地面の堅さを教えてくれた。世界とは、地球のことを言うのでしょうか。世界一を決める大会に、宇宙人はいるのでしょうか。私が死んでも、あなたが死んでも、地球は無くならないけれど、世界は無くなるのかもしれません。あの葉っぱはニンジンの葉っぱだね、と私が言うと、それを教えたのは私よ、とあなたは言った。焚火を見ながら読書をした記憶、を捏造した、もしくは、捏造されたので、鱗になって、剥がれ落ちていく。色や位置、形が変わったら、それはもう別物だから、機械で大量生産された物に安心して、私も誰かに成っていく。あの場所を通るたびに思い出してしまうことがあるかもしれないけれど、これまでの時間を決して否定しないでください。空間は時間を守ってくれると教わりました。ただ、時間は空間を守ってくれやしません。また鏡を見たら、顔は現れなかった。光を浴びすぎた顔は、シミに覆われ、黒子になってしまった。テレビ画面に汚れがついていると思ったら、宇宙のはしくれだった。戸締りやガス栓、蛇口を確認するように、靴を隔てた足裏で地面を押し返していく。シンボルツリーのアオダモは葉焼けしていて、霧雨が降り注いでいる。川の水位が上昇して、地表が減色するように、年々分厚くなっていく国語辞典を代名詞で薄くしたい。溢れた一般名詞とたくさん接続して、人波に溺れず、世界を泳いでいきたい。部品が取れて毀れたおもちゃはどうすればいいかと母に聞いたら、また買えばいいと教えてくれた。落としてしまったソフトクリームは、もう食べられないから、風食を待てばいい。再生ボタンが効かなくなったリモコンは、修理に出さず、現在だけを見つめればいい。親になるということは、代名詞になることだと知って、鏡を見たら、見慣れた顔が現れた。私はこの顔の持ち主に、固有名詞を与えた。宇宙人から見た私たちは宇宙人だから、この世界には宇宙人しかいないね、と私が言うと、それを教えたのは私よ、とあなたは言った。言葉を飲み込み、誰かに成っていく。あなたは、私が吐き出した記憶の欠片を保存している。それを時々眺めては、言葉にして、私に届けてくれる。その言葉の色や位置、形が変わらないようにするため、足裏で地面を押し返して、名詞を拾い集めていく。
13月32日
神様が自己破産して、天国を競売にかけた。
偉大なるガラクタ。
「今なら、ブラックホールも付けるぜ、マスター」
氷河期に、たった一人だけ凍りつかなかった原人が週刊少年ジャンプの上に建てた細長いビル。
そこに暮らす人々は毎晩、立ったまま眠るらしい。
地獄がまだ始まったばかりの頃、
拷問考える企画会議で、いつまで経ってもケルベロスが来ない。
バハムートがキレて会議室が全焼。
物音一つ立てただけで、
死刑になる国の永遠なる静寂。
そこへ送り込んだパンクロックバンド。
アンプからは轟音のような、
ダイヤモンド・メロディー。
Bluetoothをペアリングして、
国中に流したら、
そこは、パンクロッカーたちのユートピアに変わる。
その国の通貨はフリーズ。氷をお金として使ってく。
夏が来たら全財産溶けて無一文。冬に雪降れば全員が大富豪。
重力が逆転したその国では、涙は空に向かって落ちていく。
ある朝起きたら両手がどっちも右手になっていた。
「タバコの箱に書いてる警告文みたいに、
私と付き合ったら起きそうな弊害を、
身体中にタトゥーしておくわね」
キスがA。おっぱいがB。セックスがCなら、
残りDからZまで残ってる23種類の、
新しいエッチな事を発明するために、
全ての人間は生まれてくるらしい。
つまり人間なんて偉大なるガラクタ。
「私にもブラックホールを付けてよ、マスター」
まだ小さかった頃の子どもの頃の自分と二人で手を繋いで旅に行くとしたら、そん時はどんな話をしよう。
結局、バカ話ばっかになっちまいそうな気がする。
地球恐怖症になった人を火星に送り届ける仕事に就いてからは、ロケットを背中に埋め込んで、患者と手を繋いで吹っ飛んでいく。
今日送り届ける患者を迎えに行ったら、患者は今日から世界中のレジが排出したレシートと同じ長さだけ、身長が伸びるようになり、月に顔面が刺さった状態で死んでた。
そいつの前世はマッカーサーがくわえていたパイプ。
ずっと足のつま先から煙が出続けている。
そいつの足元で、たった一日だけ神様になれる券を拾ったからすぐに使うことにした。
神様になって最初の仕事で、何となく13月を作った後すぐに辞職した。次に神様になった奴は、すぐに13月を無かっことにしてこう言った。
「責任を取ってお前は今日から、13月に取り残されたままの人達を1月に連れて行く仕事に就け」ってさ。
13月に取り残された人達を迎えに行ったら、まだ小さかった頃の子どもの頃の自分を発見したから、手を繋いで吹っ飛んでいく。
道中ずっと、ふざけた話をたくさんしながら。
『燃えるモミアゲイソジンの味がした初めてのキス
アナーキー・イン・ザ・宇宙全体 人間は塩味
スーパーマーケット襲撃計画トカレフの弾倉に入ってる君の乳歯
コーヒーから上がる湯気はコーヒーから抜けた魂みたい
青空は宇宙が履いてるロングスカート
1月に到着して、お別れの時に俺は電卓を出してこんな嘘をついた。
「電卓の全てのボタンを同時に押してごらん。
それが、この世界を終わらせる、スィッチになってる」
子どもの頃の俺は電卓を受け取ると、全てのボタンを同時に押して笑った。
Mr.
タイムマシンで過去に遠足。
「氷河期に行くから、暖かい格好で来て下さい」
この世で唯一、2月にだけ触れるMr.
何年かに一回、一日を増やしたり一日減らしたり、
うるう年が生まれたのあんたの仕業だったのね。
その腹いせに私は、夕焼けのファスナーをおろして、中から明日を引きずり出した。
Mr.は人間とソフトクリームマシーンのハーフだから、ソフトクリームみたいに顔面がねじれてる。
賽の目で決まった私の顔面の数、6個全部の散髪をする美容師は大変ね。
Mr.の左半身からは、世界を滅ぼすビームが止まらなくて、左側の全てが消滅する。
私は信号族の生き残りだから、信号機に連動して3色に変化する全身。
Mr.だけは私がブルーになっても「アバターだ」って指差して笑わない。
あくびしたら発動する爆弾を爆破しないために、
ずっとあくびを我慢してるMr.は、来世では生き物になれない事がもう決定している、魚肉ソーセージの金具集めて作られたシルバーな人間。
次の遠足の行き先は未来。
「もう未来では鼻の穴がいらなくなるから、その穴縫ってもらったら?」
未来の世界は鼻が不必要なの?教えてよMr.
こっから先は一回骨だけになった事があるMr.の頭蓋骨に、私が書いた落書き
『アダルトビデオは人間を作るレシピ
地球は酸素のサブスクリプション
両手がマシンガンのシェフが撃ち抜いた銃弾だらけのステーキ
ホアキン・フェニックスがダンスしてた階段
ドライヤー片手に氷水の自殺のお手伝い
私から繊維だけ抜き出して、
それを紗々みたいにして食べたあいつ
並行世界の方の私の恋人が、
ずっと聞かせてくる向こうの世界の私の話』
過去から勝手に恐竜持ち帰って時空警察に逮捕されたMr.
リボンの不思議
2月のキーンと冷える朝。
「ハー、ハーハーッ……」
動きやすいデニムパンツを履き、分厚い猫耳ピンクのパーカーを着た雪瑚は真っ白い息を幾つも吐き出しつつ、ポニーテールを揺らし出勤路を走っている。赤いスニーカーは軽快に路面を蹴って行く。ファーのスヌードを付けていたけれど、要らなかったかもと感じるほど、慌てているからポカポカだ。
佐田雪瑚、フルーツパフェが大好物な31才。
ようやく新しい仕事に慣れてきたところだ。
「遅刻しちゃうよー。変な夢、いつまでも見てたな~」
雪瑚はゆうべ、というか明け方、目覚まし時計を抱きしめながら、夢を見ていたらしい。
まっ白なバラの咲き誇る花畑に、知らない男性と手を繋ぎ寝そべっているというもの。
どこかに(これは夢だ。職場に間に合わないぞ)などと感じている自分がいた。
そしてその現実の雪瑚は(お花がつぶれて可哀相)と感じてもいたし、今思えば(あれ? 棘で痛いんじゃぁ……)などと顔をしかめつつ、やっと職場である衣料品物流倉庫に到着した。職場は近所なのだ。
(ギリセーフ!)
「おはようございま~す」
「あ、ユキちゃんおはよ。珍しいね、今日はギリギリじゃない」
「はい、松崎さん、今日は二度寝・三度寝しちゃいました!」
「あらあら、お仕事始めて1カ月、よく頑張ってるもんね、ユキちゃん。疲れが出てるかな?」
松崎香45才。彼女はこの倉庫の主任だ。
「いいえ、遅刻しそうになっても間に合わせるだけの体力がありますから、大丈夫!」
ブイサインをしてニカッと笑って見せる雪瑚。
「オッケー! ああ、そう。ユキちゃん、今日からバイトで来てくれる時田惇太さんよ!」
雪瑚はゼーハーと息を上げつつ松崎に挨拶したので、松崎の後ろ辺りに居た華やかな男性に気づかなかった。
新人君は松崎の前に一歩出、雪瑚に向き合った。
「初めまして。時田惇太です。よろしくお願いいたします」
「初めまして。わたしは佐田雪瑚と申します。よろしくお願いします!」
身長が150cmもない雪瑚はスラッとした惇太を見上げた。
こげ茶色の瞳。毛先だけブルーに染めた髪。顔ピアス……。ファッションとは相反する静かなムード。
「ハッ!」
「ン……?」
息を飲んだ雪瑚に惇太が不思議そうな表情を浮かべる。
惇太は33才。上記の通り、派手で少し童顔。男くささとセクシーさが同居したモテそうなタイプだ。
その魅力に雪瑚が眩暈を起こしたのは事実だが、ハッとした訳は他にある。
明け方夢に出て来た人だったから!
そう、雪瑚は薔薇の上で戯れた見知らぬ男性の顔をはっきりと憶えていた。特に瞳の輝きが綺麗だった。深い海のようだった。
『仕事がんばるぞ!』とたくし上げたのか、彼の前腕が今、雪瑚の前で露わになっている。
(薔薇の棘でケガしていないかな!?)だなんて気になりまじまじと見てしまった。
「ど、どうかしましたか? 雪瑚さん」
心配そうに惇太が言う。
我に帰った雪瑚。
「いえ、なんでも……」
(怪しい素振りだったろうな)と自分が恥ずかしくなりつつ雪瑚がそう言うと、穏やかな表情に惇太は戻った。
さあ、今日もお仕事スタートだ!
この倉庫のやり方は、イマドキ式……ではない。原始的とでも言おうか。未だに伝票と籠を載せた台車を手にしたスタッフが、伝票に記されたものと合致するアルファベットと数字の書かれた棚まで行く。
その中の商品を籠に入れて行く。
これを『ピッキング』と言うのだが、この会社は中小企業の部類なので、デジタル化や自動化には見向きもしない。というか、用意できるだけの資金が無いのだろう。
結構体力を使うし、慌ただしくもある。
けれど、体を動かす事が好きな雪瑚には向いている。
「惇太さん、がんばって! わかんない事あったら、ユキちゃんに何でも聞いたらいいよ」
「そ、そ~んなー、松崎さん、あたしまだ新人です」
「ムム、新人にしては出来過ぎだぞ! ユキちゃん、ファイト! よろしくね」
「はい」
……とは、松崎から言われたものの、惇太は憶えが早く記憶力も良い。男性ゆえ力持ち。雪瑚の教える事など1つも無さそうだ。
――――そして昼休憩。
お昼はおひさまキラキラ。早朝はあんなにも冷えたのに、10度以上気温は上がった。
雪瑚は動き回り体が暖まっている。
(今日は中庭でお弁当、たーべよ~っと)
雪瑚は冬枯れの桜の木の下にあるベンチに腰掛け、そっとお弁当を開けた。
(あ! 今日のお弁当イケてるからSNSに載せちゃう!)
スマホを取り出し、素敵なアングルを探り始める雪瑚。
そよぐ風にお花の香りが混ざっているように感じた。
(不思議ね、水仙……? いいえ、この倉庫の辺りには全く水仙は咲かない)
そう思ったのは一瞬で、良い写真を撮ろうとスマホの画面にくぎ付けの雪瑚。
パシャリ!
「やった~!」
「お疲れさまです」
(あ……)
やって来たのは惇太だ。
「食堂の暖房が暑くて……。ここ、良いですか?」
ゴツゴツした大きな手で、レジ袋を持っている。
ベンチはここしかない。そして大き目のベンチだ。5人ぐらい座れそうな。
「あ、惇太さん、お疲れさまです! もちろん。どうぞ!」
惇太は菓子パンと総菜パンを頬張った。
(お弁当じゃないのね。一人暮らしなのかな?)とか、気になる雪瑚。
二人は何を話す事もなく、ペコペコのおなかを満たす事に集中した。
「フー。ごちそうさまでした!」と雪瑚。
「雪瑚さん、早食いだね」
(え。カッコいい顔して悪戯を言う!)
なんだか雪瑚は嬉しくなった。
「もー! 惇太さん?!」
「アッハハハ、ごめん、ごめん」
おもむろに惇太は、黒いジャンパーのポケットから文庫本を取り出した。
惇太の表情はリラックスしているが、夢中で読んでいる風なので、雪瑚は静かにしていた。
見上げると冬の紫がかった青空が美しい。あの青には、来たる春の贈りものである花びらが含まれているからであろうか。青色なのにピンクが見える。
そんな事を思いつつ、清らかな空気を吸い込んでいた雪瑚。
「そうだよ……僕はうお座。うお座生まれだ。君もだろう」
いきなり惇太が声を出したのでドキッとした。
隣を見る雪瑚。
どうやら彼は本を朗読しているらしい。
誕生日は2月23日。うお座生まれの雪瑚は話し掛けられているのかと勘違いした。
「でも、一緒だったのは星の世界だけではなかったね。明け方、夢で君を抱きしめた。君の黒髪はまるで蜂蜜のような甘い匂いに包まれていた。私は少女のような笑顔に、薔薇の棘が突き刺さる痛みをも忘れた……」
ドキリ! と言うのを通り越しゾッとする雪瑚。
「そ、その本……は?」
すると惇太は大切そうに文庫本の表紙にてのひらを当て言った。
「僕の著書です。自費出版で出したんですよ」
(今朝の遅刻間際の夢の内容とかぶってる!?)
驚く雪瑚。
それにしても、惇太はいわゆるチャラいファッションだが、雰囲気は芳醇な土のように落ち着いていて、瞳は泉のような潤いがある。静かな佇まいだ。
あまりの偶然(?)にびっくりはしたが、雪瑚はロマンチックな気分になった。
惇太に魅力を感じる。
「本の題名はなんというのですか?」
「あ、ああ。気になりますか? 雪瑚さん」
「はい! あたし、小説は時々しか読みませんが、ポエムを自作するんですよ。だから文章が大好きなの。教えて!」
すると惇太が、少々照れながら答えた。
「『うお座のリボン』です。ギリシャ神話によると……あ、そんなに神話に詳しくないんだけど……悪い奴から逃げ切った母である女神と息子のキューピットの尾を、リボン結びした形が夜空に浮かんだ。それがあの星のうお座なんだって!」
雪瑚は自分の生まれ星座の事が知れてなんだか嬉しいし、とても興味深い。
「今の季節って、うお座は見えますか?」と惇太に訊いてみた。
「ああ、秋から12月頃が一番見えるんだ。この季節は……今」と言って、空を指さす惇太。
「お昼間に実はうお座は輝いているんだよ」
「そうなんだ~」
そう言い、再び空を見上げる雪瑚。
(あたしが生まれた日は凄い雪で、ママは産気づいた時タクシーを捉まえられず、必死で雪の中を歩いて病院までおばあちゃんと行ったと言ったわ。[そうして、雪のように白いあたしの雪瑚が生まれたのよ]と、ずっと前、あたしのお誕生日にママ、幸せそうにメールをくれたんだよね)
「あ、あの……ね、惇太さんって、なに座なの?」
「うん。『ヴィーナスとキューピットのリボン』うお座さ」
惇太と夢の中で純白の薔薇の上、寝転んだ明け方の雪瑚。
魔法にかかったみたい。
惇太は、本と星座の話をずっと前を向きとつとつと話した。静かな横顔に胸を熱くした雪瑚。
(これはなんだろう?! ミラクル? 単なる偶然?)
ジリリリリリリリ……。昼休憩を終えるベルが鳴った。
(あたし、この人と離れたくない)
キュ……!
ポッケに文庫本をしまい終わった惇太の左手を、うつむきながら右手で握る雪瑚。
自分でもわからない、なんでそんなに大胆な事をしてしまったのか。
惇太の頬がサッと、紅く染まった。
そして惇太は、雪瑚の小さな手を、優しく両手で包み返してきた。
「明け方、貴方の夢を見たの」
「え!?」
その驚愕の表情を見た時(惇太さんはヘンテコな魔術師なんかじゃないのね!)と確信した小心者の雪瑚。ホッとした。ウフフ。
ラブワンダーが二人に起こるのはきっとこれから。
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一滴の醤油から始まる世界
君は死んだ瞬間に、
全69巻のコミックスとなって、世界中に飛び散った。
古本屋、探し回って集めた60冊。
残り9冊で君をもう一度、生き返らせることができる。
私は君大学、君学部、君研修室の生徒だったから、
君の事なら何でも知ってる。
君の奥歯にはスイッチがあって、
噛みしめるたびに、新しい星が夜空に一つ生まれる。
君の奥歯が削れて無くなったのと引き換えに、今夜も満点の星空。
人工衛星が私の上に落下して来た瞬間、
体の半分がメカになったから、
はずむ心をアンインストールして、
今日の気だるさ、ダウンロードする。
この世界のバグを取り除く新法案で、
私は次のアップデートで消えることになった。
私の記憶を失った君の記憶の中には、
空白が生まれて、そこからは、
セブンスターの副流煙の香りがする。
『残り1冊で君を復活させられるのに』って所で、
私は政府に処分されて、
君と私は、銀河鉄道の線路に生まれ変わる。
それからはずっと、君と手を繋いでるみたいで嬉しい。
「21年間も、遅刻して、ごめん」
遅れてきた恐怖の大王が、
謝罪しながら、世界を終わらせる。
演技でイったフリしてる、不思議の国のアリス。
スワイプしまくって、世界を吹っ飛ばす。
眼球の受信料、払い忘れて、
視界全部に、
スクランブルが、かかってる。
味覚障害のミシュランは、
ドッグフードに五つ星を付ける。
テレパシー使える、温泉芸者が、
宛先不明の郵便物を、相手の脳に直接、宅配。
心がまだ、君を好きなまま、フリーズドライしてる。
本当は、
シャボン玉になるはずだった私は、
誰かに触れられただけで、
弾けて潰れる。
何もしないで、今日が終わった、
命の節約家。
季節を食べる、虫たちのせいで、四季が消滅した後の世界。
シザーハンズと、同じ博士に作られた、
全ての指が、ハサミの女の子。
全身を埋め尽くす、QRコード。
全てが怪しい、出会い系サイトに繋がる。
銀河鉄道で発生した痴漢事件。
外に逃げ出した加害者は、
たまたま横切った、隕石にしがみつく。
プーさんが、いつも上に着てる、
赤いシャツ脱ぐほどの熱帯夜。
肉眼で、見えるようになった永遠は、
空気コーヒーのような、水色をしていた。
捜査一課に配属された、天才バカボンの本官は、
繋がった眼球から、ビームを出して、
全ての雲を、クリーム色のピストルに変える。
人類全員が、
楽器に変身できるようになった世界で、
私は三絃しかない、
アコースティックギターに変わる。
『絶滅した生き物を、一日一種類だけ復活させることができる能力』
今日は大雨。
生き返らせたプテラノドンの下、同じ速度で歩く雨宿り。
『今まで人生で、人とすれ違った回数がわかる能力』
「全く要らないなあ」と思っていたら、0って表示された君が現れる。
「ねぇ、君は今までどこにいたの?」
次の日起きたら私は、君の家のベランダになっていた。
洗濯物干してる君を、下から見上あげた瞬間、
人間の姿に戻って、君と一緒に落下していく。
何にもチャージしてないPiTaPaと衝突して、
中身が入れ替わる。
私の魂は、PiTaPaの中にチャージされて、
それを君が改札に当てた時、
世界の全てを狂わすバグが起こる。
酸素に触れる君は、
私が吐いた吐息を蝶々結びにして私に返す。
ケチャップ工場の爆発のせいで、
全部が真っ赤に、染まったこの街。
生クリーム、宙に浮かび上がって、雲の居場所を奪った。
閻魔大王が、休日にしてるファッションは、
ジェラートピケ 地獄支店で買ったやつ。
自分自身を自動操縦に切り替えて、勝手に街を歩く。
次に意識を取り戻したのは、奈良の大仏の手の平の上。
排水溝に吸い込まれた、私の影。
取り返すために、下水管の中を旅してる。
両肩から常に、BB弾発射してる私は、
エアガンの生まれ変わり。
夜は、青空のサーバーダウン。
ルイージマンションクラスの事故物件。
明日の太陽は、私がジャンケンで出した手の形になってる。
巨大乾電池、背中に埋め込んでもらわないと、
動けない、私の恋人。
神様がサービス残業して作った、新しい生物。
革命失敗した、ナポレオンが、
夜逃げするために呼んだクロネコヤマト。
神様が飼ってるブルドックの、歯型が付いた惑星。
世界を圧縮したみたいな、口の中。
ジェットエンジン搭載してる、
仮死状態になった白雪姫は、
眠ったままこの世界を爆走する。
人類は、『ざわざわ』、『もにゅもにゅ』のどちらかに分類されて、ざわざわに分類されたスナックのママは、名探偵コナンと同じ薬を飲んで、姿が子供になってしまい、しゃがれた声で聖歌隊に混じる。
私はもにゅもにゅに分類されて、
今日から輪郭が無くなるの事になって、
地べたに落ちていく目と鼻と口は、
地球を新しい輪郭に変える。
手に入れた水面の上を歩ける能力、初めて役に立ったのは、噴水の上に乗って、飛んでった風船キャッチした時。
だけど両手がUFOキャッチャーの手だから、掴んだ風船をすぐに手放してしまった。
青空は脱皮した地球の抜け殻。
鼻をぐるぐると回して、上に来たときに、くしゃみを放ったら、上空に吹っ飛んで、私の鼻水が飛んでる鳥を撃ち落とす。
水道水に生まれ変わるための100の方法を、
全てクリアーした時に気付いた事。
水はこの世で唯一、触る事の出来る愛。
未来の物が買える未来Amazonで買った地球儀は、人間の形をしていた。
地球はこの先、人の形になるみたい。
千手観音が1000個の魔法のランプ同時にこすって、
1000体のランプの魔人をこの世に放った。
一体につき3つまでの願い事は、合計3000個叶えられる。
その千手観音が、3000個目に願った事。
「地球を、こぼした液体の形になるようにして下さい」
ヘクトパスカル操作できる能力で、
地球全体の湿度を上げて、ミストシャワー発生させる、演奏会。
逆再生コンチェルトの途中だったから、
今まで流した涙全てが、 逆流するみたいに、目の中に戻って、
膨らんだ涙腺の中には、 世界で一番小さな湖が出来る。
指揮棒か片手に、次に演奏するのは
『神様が地球作る時に、 出した騒音のサウンドトラック』
雨じゃなくモルヒネを降らせて、
傷だらけの地球の痛みを和らげる。
ビタミンCをこぼした瞬間、地球はレモンの形に変わった。
今から私の血液落として、人間の形になるか試してみる。
タッチの差で甲子園に住む魔物の血液が地球にぶつかる。
地面にコケたら地球が、キャッチャーミットの形になって、
私はその中にキャッチされる。
これは〝死んじまえ〟から始まるラブレター。
巨大化した初音ミクがツインテールで、
ぶっ壊したビル。
消防車完食したガッちゃんが出した、
赤色の大便。
世界中の地面がタイプライターに変わり、
道行く人が踏んで生まれた現代詩。
巨大なピンボールマシーンの中に入れられた地球。
バウンドするたびに、世界の終わりが訪れる。
炭酸まじりの血液。トランポリンで跳ねて爆死。
枕元に立って、君の顔に落とした涙。
トイザらスから、
一生出られなくなったマフィアは、
おもちゃのピストルで今日も殺し合い。
機械じかけの私は、背中のゼンマイ巻いてもらわないと動けない。
体中にスイッチ。
来世、自販機に生まれ変わる準備が、もう始まってるみたい。
閻魔大王に抜かれた舌が、メルカリに出品されてたから買い戻す。
おかえり私の愛しいスプリットタン。
体の一部分だけ透明人間になる薬で、顔面が透明になった指名手配犯は、時効まで逃げ切れそう。
生まれ変わったら何になるか決める面接で、
神様と大喧嘩して気づいたらなってた、
テトラポット。
でもね、えっと、あのね、うん。
太陽に暮らしてた時期があるから、
全身が今も燃え続けているの。
天国の病院を脱走した天使は、
右の翼が取れそうになってる。
ほっぺたには凍りついた涙、へばりついたまま。
終電逃した神様が始発待つ間に作った、
新しい生き物は、エレキギター片手に、
世界一悲しい歌を歌う。
月の裏側にある街で、
マッチングアプリ起動したら、
ものすごい数の、リトルグリーンメン。
迎えに来るUFOは、アダムスキー型。
幽体離脱して、空から自分の後ろ姿を見たら、
あんな所に寝癖ついてる。
スキップ機能付きの走馬灯で、
飛ばしまくった学生時代の全部。
ペットボトルロケット
MADE IN NASAで、
たどり着いてた惑星は、幽霊になった地球。
エイプリルフールについたウソ全部、
現実に起こる世界で、
「ママは生きてる」って言ったら、
生き返ったママが、
後ろから私を抱きしめてくれた。
私はマバタキするたび、タイムスリップする。
江戸時代→安土桃山→原始時代。
ティラノサウルスの小さな両手に、握り潰されるような恋だった。
Wi-Fiに触れると、死ぬ体だから、もう地球では暮らせない。
コーヒーからのぼる煙に乗って移動する、
世界一脆弱な筋斗雲。
ティッシュペーパーで包み込んだ天国。
潔癖症の神様が、バイキンマンに恋をした。
ルシファーはキスする時の顔で、世界を滅ぼす。
この千里眼で見える、君の前世全部。
エジソン、ゴッホ、アインシュタイン。
君が一人ぼっちで作り出した宇宙。
透明人間の腐る音がした。
ベティ・ブルーの、えぐりとった眼球が、
巨大化して生まれた新しい惑星。
句読点を、心臓に付けられたような恋。
2000年ぶりに復活した、
アダムとイブが、
素っ裸のままデートする、
渋谷スクランブル交差点。
大統領暗殺計画の首謀者は、
世界一IQの高いエリマキトカゲ。
両乳がチェーンソーになった彼女とハグして、
胴体貫かれて死んでった、
彼の亡霊を、中に閉じ込めてるおにぎりは、
神様の眼球を、ナメた時の味。
ため息と一緒に抜けた魂は、
君の心臓の外側を、
餃子の皮のように包み込んだ。
未来から来た人は、血液に微炭酸が混ざってる。
海に触れた瞬間、
サイコメトリー能力が発動。
脳裏に広がる、
地球がまだ出来たばかりの映像。
電話ボックスから、
一生出られない呪いのせいで、
永遠に立ったまま頼む、Uber Eats。
「奇遇ね、私、
点字ブロックの上から永久に出れないの」
人生のエンドロールは、君の名前で溢れてんだ。
シンデレラの魔法がとける寸前、
PM11時59分59秒で、時を止める。
ニュースキャスターが無言のまま浮かべた笑顔。
今日は何の事件も、起こらなかった一日。
私は絶望高等学校を、首席で卒業出来るくらい、 昔から絶望していた。 人生開始数秒で上げた白旗。
ある日、地球と衝突して中身が入れ替わる。 そこから私の中身に地球が入って、 ずっと自転を繰り返してる。 眼球の裏側に書いてある、 人間の取り扱い説明書は全1ページ。 そこにはこの一文だけが書いてある。 『人間全員が地球依存症』
それ以来、私は止まったままの観覧車に暮らしてる。 頼んだウーバーイーツ。 背中に羽根生えた配達員が届けに来てこう言う。
「ご注文、『地獄の食べログ 3・5以上を取ってる店で、必ず出される、閻魔大王が抜いた舌のシチュー』で間違い無かったでしょうか?」
新しい恋人は未完成のまま終わった作品の続きを、 あの世に行って描かせる幽体離脱編集者。 手塚治虫の新作漫画の続きは、あの世にしか売っていない週刊少年ヘブンで連載している。
話したこと全てに、 テロップが出るようになった世界で、 君と口喧嘩した後、 たくさんの悪口が私の部屋の床に落ちてる。 起きたら姿が文庫本になっていた私の恋人。 ページを開いたら、 私への愛が何ページにもわたって、綴られていた。
神様が雇ったペンキ職人が、 色を塗り忘れたもう一つの地球に暮らす、 全てが白色の世界の中を生きる白色の私から送られて来たテレパシー。
「キティーちゃんが戦死して財産分与で大量のオーバーオールを相続したの」
私は顔面取り外してそこに、パトカーのサイレンを埋め込んだ。朝が来ても君と過ごした部屋、永遠と赤色に染めながら、テレパシーに返信する。
「今度、そっちの世界に引っ越そうと思う。荷物は一冊の文庫本だけ持って」
そっちに行って一番最初にやる事はもう決まってるの。
まだ白色しかない世界に、 一滴の醤油を垂らす。
アイスクライマーが、
ハンマーで吹っ飛ばした、
雪だるまの顔面が、
君の新しい顔面になる。
ピーターパンが考えた、成人式襲撃計画。
足音がマシンガンの乱射音になったから、
図書館司書の仕事は解雇。
妊娠10ヵ月のロボコンが運ばれた、
分娩室から聞こえる機械音。
人の輪郭を消す消しゴムのせいで、
顔のパーツが、宇宙空間を漂う。
背中についた巨大なゼンマイ、
巻いてくれないと動けない、
この屋敷のメイド達。
&の形に折り曲げられた体。
天国にイタズラ電話かける。
「ハロー、マザー・テレサ。
今日はどんなパンツ履いてるの?」
水中でエレキギター、
アンプに繋いで全ての魚たち、
感電死させる。
銀河を掃除するルンバが、
宇宙の中を、
さまよっているから、
今日も星一つない空。
デートの最中に、
「ごめんね。
私、もう死んでるの」って、
彼女は言い出して、
その体ごし、
透き通って見える向こう側では、
十字架も、ニンニクも、
平気なバンパイア。
人が、あんま来ないバス停に、
体をくくりつけられている。
朝の天気予報。
「今日は人間の死体が降ってくる日です」
外からは、人の体が、
地面に、叩きつけられてく音色。
明日の街は、臭そうだな。
明日の道路は、歩きにくそうだな。
コーヒーメーカーで作られた、
ウェディングドレス。
オレンジジュースの失敗作。
愛の形を、こわす液体。
「世界に、
切り取り線を入れるのが、
私の仕事なんだ」
マグニチュードの担当医。
モンスターズ・インクのマイクみたいに、
眼球が、
一つだけになったから、
今夜は、満月を、
イチゴ柄に変える。
ストロベリー・ムーン、
アーンド、
その下に、
チョコレートクリームパフェ。
「電卓の全てのボタンを、
同時に押してごらん。
それが、この世界を終わらせる、
スィッチになってる」
ケータイ電話の電源が、
勝手に落ちて、
そこから暗黒。
雨の中に混じって落ちてくる、
神様の涙。
刺青
喪われた自明性の断片を
救命しようとするあいまいな隊列
種の普遍的な凶暴性までも
進歩と調和といって正当化することが
得意になってしまった人類は
やがて自分が隠れられる場所も失くして
私たち/かれらそのものが
地球のアナログタトゥーになるだろう
生き物で唯一ニュークスを保有しながら
けものの獣性を蔑んできた
私たち/かれらの言語文化は貧しく
限りがあってなおそれによって
結びつこうと試みる
SM掲示板に入り浸りの若い女や
意味なく雄叫びをあげる男児の群れや
ノイズが単語のように聞こえるラジオを
詩人と呼んでみるとき
薄暗くなりはじめた公園の体温に飢えた風は
やはりあわれに思えてくる
あなたが孤独でないことがさびしいと
名前を言わない女は名前が知らない男に言う
弟と自分とどちらが可愛い子なのか
母親に尋ねたい男の子がいる
ラジオは間もなく新しい製品に交換されるし
誕生の取り返しのつかなさにもかかわらず
赤ん坊の私はいつかお墓の下で眠るのだよ
女の尻のみみず腫れ
子どものすすり泣きの名残り
殺されたラジオよさようなら
キャラメル・オンライン
私は夜が逃げたら
捕まえる仕事をしてる
夜は双子で今日の夜は性格が悪い方の夜だ
そいつには微炭酸が混じっていて、
深夜になると微真夜中になる
太陽が休暇を出したから今日から、ずっと夜が続くらしい
「メンテナンスのため、この時間帯は地球を利用出来ません」
閉店前のタイムセールで、半額になった怪獣買いにきて、
太陽が怪獣として売られていたから買った
「太陽に首輪を付けて散歩させるための、
絶対に燃えない首輪を下さい」
ピーターパンが迎えに来た夜
連れて来られた呼吸税がある星で、
深呼吸しまくって自己破産
「最下位になった精液も、可哀想だから人間にしてあげる」
真夜中を両替機に入れて、夜の小銭に変えて、
それをコンタクトのように両目に入れたら、
全ての幽霊が見えるようになる
幽霊達とやる大縄跳びは
誰も引っかからないから永遠に続く
二酸化炭素に育てられた私は、
人が吐く吐息に混ざって外に出てくる
全てが圏外の世界で、
人はテレパシーで会話できるように進化する
またキャラメル・オンラインから、
人がキャラメル咀嚼する音のテレパシーが届く
その音を聞きながら、私は逃亡中の夜を捕まえる
新幹線のトイレ
ズゴッ!!
新幹線のトイレが吸い込みました。
「すごいなあ。」
隆くんは感心しました。
「お母さん、すごかった。新幹線のトイレがズゴっと吸い込んだよ。」
「あらまあ、それはすごかったですねえ。」
誘拐犯が来ました。
「隆くんを誘拐しに来ました。実はこの先でパーティーがあるので隆くん来ませんか?」
「だめです。隆くんはいま新幹線のトイレがズゴッと吸い込んだことに感動しているのですよ。」
お母さんがいいます。
「そうだそうだ!!」
隆くんもいいました。
「でも、パーティーのトイレもズゴッとしますよ。」
誘拐犯が言いました。
「ええ、そんなあ。」
涙目になる隆くん。
「あと飛行機のトイレもズゴッとするわ。」
スチュワーデス子がいいました。
「あと、ズゴクのトイレもズゴッとするよ。」
ズゴクの閻魔様も言いました。
ズゴーーッ!!
隆くん、ズゴーッ
ズゴーーッとした隙に、隆くんは誘拐犯に誘拐されてしまいました。
「あ、誘拐したな。トイレに連れて行ってください。」
「仕方ないなあ。連れて行ってやるよ。」
「やったー!!」
ブリブリブリブリ
さあ、流すぞ
スンッ
わあ!!!
完
膝君主制の夜明け(セルフ婚パッション) 短歌連作
える坊と名付けた膝で跋扈する
今日はお前で明日は我が身だ
える坊がタイツ越しにて抗議するここもおいらの顔面だぞと
膝にさえ据えたヴィジョンと造反の意思があるのにおまえはなんだ
左膝なんて所詮は代名詞える坊様の威光に慄け
新山(ニーやま)と名乗る右手の肘のくせ朝飯前と配下につけて
痙攣の機序を脳には学ばせる
錯覚こそを正覚と知れ
🥺沼られる膝でありたい君にだけこのマニュアルの初回は無料❣️
頭垂れ高く掲げた膝の皿三々九度の契り結びて
膝枕させてあげないこともない母指の渾名は実はゼクシィ
える坊がマルチばっかのベローチェの低いテーブル頭をぶつけ
𝚂𝙷𝙸𝙽𝙸𝙶𝙸𝚆𝙰 𝙻𝙰𝚂𝚃 𝙱
2026/02/05
帰路
ぺたぺた鳴る靴、
揺れるビニール袋。
右肩にリュック、
左手のホッカイロ。
ポケットのキーケース、
真っ赤に晴れた耳、
変わらない景色。
あの帰路を覚えている。
カスタネット・ヘブン
このカスタネットを叩くたびに、
死んだ人が一人、生き返る。
君を生き返らせたくて、ひたすら叩いた結果、
歴史上の偉人達、全員、復活させてしまった。
織田信長と明智光秀は大喧嘩。
それ見て、新しい相対性理論を思いつくアインシュタイン。
君が生き返るまで、カスタネットの音色は響き続ける。
ある日、生き返ったジョン・レノンが、こんな歌を歌い出す。
『すべての人の顔面が ある日突然
AからZまでの アルファベットの形に変わる
その世界では Vの形が一番美しいとされていて
Mの形が一番醜いとされている
だからMの顔の持ち主たちは
整形外科医に頼んで Mを一度ひっくり返して
Wの形にして それを半分を削ってVの形にする
どうかお願いです
すべてのアルファベットが美しいとされる
世界になりますように 僕は気付いたんだ
元からすべてが 美しい世界だったって事に』
世界中の道路が、ピアノの鍵盤に変わって、
歩くたびに鳴る、ドレミファソラシド。
生き返った君と、手を繋いで、
スキップとジャンプ繰り返しながら、
ジョンが歌うその歌に、曲をつけながら歩く。
ズレの累積
二月に入って、朝の空気が一段冷える。
庁舎に入り、コートを脱いで席に着く。
内線が鳴った。
「白石さん、昨日の件なんだけど」
総務課の担当者だった。受話器を肩に挟み、机の端から該当する資料を引き寄せる。
「前提は、昨日お伝えしたとおりです」
一瞬の沈黙のあと、相手が言った。
「それが、うちの課にはその認識が来てなくて」
画面を見つめたまま、短く息を吐く。
「わかりました。こちらで整理します」
電話を切り、別部署に確認を入れる。
「なるほど、そういうことですね」
「失礼しました」
「いえ」
受話器を置くとき、プラスチックが軽く鳴った。
昨日確認したはずの文言。共有したつもりの前提。
少しずつ、噛み合っていない。
間に入ると、話は先に進んだ。修正と再共有は、その場で済ませた。
「白石さんが把握してるなら大丈夫ですよね」
そんな言葉が、自然に飛び交うようになった。
反応は返さない。
昼前、福祉課で短い打ち合わせをした。事実関係を確認し、文言を整える。
「ここは、正確にしておいたほうがいいと思います」
その修正で、話はいったん止まった。別の部署の確認が必要になったからだ。
「じゃあ、午後に持ち越しですね」
誰かがそう言い、打ち合わせは終わった。
廊下の冷気を感じた瞬間、声がかかった。
「白石さん、判断もらえますか」
資料に目を通し、頷く。
「この形で進めてください」
誰も異を唱えない。
判断は、そこで止まり、そのまま先に流れていく。
午後の会議では、説明役になる場面が増えた。
「白石から説明してもらおうか」
立ち上がり、資料を手に取る。説明は簡潔で、誰かを否定しない形に整えられている。
会議は予定より早く終わった。
廊下に出たところで、上司が声をかけてきた。
「最近、助かってるよ。細かいところまで見てくれて」
「いえ」
夕方、ようやく席に戻ると、机の上には朝よりも多くの書類が積まれていた。
どれも、関わった案件だった。
一つ手に取り、内容を確認する。修正した箇所に、赤ペンの跡が残っている。
時計を見る。もうすぐ定時だった。
仕事は、まだ回っている。
ただ、
白石がいないと回らない部分が、
少しずつ増えている。
その事実は、
まだ整理されていなかった。
Grumpy Cup - グランピー・カップ -
朝の陽射し差し込む窓辺にて、真中沙代里・50歳は大あくびをしている。
「よく寝たな。今の精神薬と眠剤、バッチリだわ」
散らかった部屋はゴミ屋敷とは呼び難い。お屋敷ではないから。お隣のくしゃみも聞こえるような古いワンルームマンションの中、グチャグチャの部屋に置かれた玩具の人形のごとくに動く沙代里。否、そんなに無機質ではないか。子犬のように蠢く少女……いや、そこまで無邪気ではない。
ただ、沙代里は部屋と同じくどこかが雑だ。大雑把だ。しかし散歩している犬などには声を掛け、飼い主に必ず挨拶を交わすような細やかな情を持つ。
長い緑の黒髪をポニーテールにしつつ、短いようで長かったこの1月からの約3カ月を想う。
(もう盗んじゃダメよね)
あの夜、インターホンが鳴った。
「はい」と沙代里が返事をしても相手は何にも言わない。不審に思い覗き穴を除くが、相手は覗き穴から見えない所にいるらしい。気になって仕方がないのでドアを開けた沙代里。
「警察です。何の事か……わかる?」
沙代里は足が付いたかと観念した。
「ああ、薬屋の事?」
「うん、わかってるなら話が早いね。行こうか」と警察官。
警察で1時間ぐらいの事情聴取。
沙代里は逃げる気は無かった。無理だと思った。
隠しカメラに映っている自分を見せられた。
「これ、真中沙代里さん? あなたですか?」
「……はい」
そして逮捕状が発布され、沙代里の細い手首に手錠がはめられた。手錠と繋がっている腰紐も沙代里を捕らえた。
蜘蛛の巣に絡め取られた蝶ほどジタバタしない。沙代里は不名誉にもこんなの慣れっこなのだった。
*
沙代里は今、新緑のフワフワした森を自宅から見下ろしボンヤリ誓う。
(もう盗まない……)
あんまり自信はない。
拘置所を出所したのがこの間の4月。
(寒かったな。国選弁護士が生活保護費をおろして持ってきてくれるまで心も寒く、ひもじかった)
拘置所に入っている他の未決囚はおやつが自由に買えているんじゃないかと羨んでいた。しかし、お金が手元にあっても、糖尿のある沙代里にはおやつは限られる。
糖尿のみならず精神病を持っている沙代里は希望したし、拘置所の配慮だったのか、さっそく独居房に収容されていたので、雑居房の様子は想像でしかないが……。その想像がつくゆえんは沙代里が4回懲役に行っている事からだ。
「ンー、今度捕まったらまたムショだわ。嫌だから盗まない」
そもそもなぜ沙代里が拘置所に正月から花芽吹く季節まで居たのか……。罪名は窃盗だった。
沙代里の初めての万引きは5才の時。スーパーでチョコレート菓子を盗り、そのまま開けて食べた。すぐに母親に見つけられ、ぶん殴られた。
ぶん殴られただけで何の意味が分かる?
しかし沙代里はその時(ダメな事なのか。殴られたくないからもうできない)と感じた。
『殴られたくない一心』で抑えつけていた欲望が再発したのは小学校2年生の時。
お菓子が欲しいから万引きを繰り返した。
中学生になると、グレた沙代里は、制服のセーラー服とスカートを改造する資金集めの為、恐喝に手を染める。気の弱そうな女子を見つけては、睨みを利かせ、言う事を聞かなければ殴り蹴倒し「金を出せ」と従わせた。
今振り返っても、沙代里には『何で物を盗んじゃいけないのか』理由が分からない。
母親から虐待を受け続け育った沙代里は、殴られ、鼻血を出している間中も、自分が今何をされているのか、どうして叩かれるのかも理解できなかった。
当然だろう。正当防衛以外の暴力を理解し、受け止めるなど狂気の沙汰ではないか?
今回は……ドラッグストアで咳止めシロップを盗んだ為の逮捕だった。監視カメラに映っていたのだ、沙代里が。
沙代里は元々ヤク中だ。刑務所へ4度行ったのは皆覚せい剤使用が発覚した為だった。
クスリを憶えたのは、自立してから暮らし始めた東京の勤め先である居酒屋の寮生活中での事だった。
沙代里は一生懸命ホール係をこなしていた。怖い母親から逃れせいせいした心地で寮に暮らしていた。
「沙代里、あたしの部屋、来なよ。いいもの見せてあげるから」
店の休日の夜、沙代里を普段かわいがってくれているハタチの民子先輩が悪戯な目つきをして言った。
当時18歳の沙代里は好奇心旺盛だった。
(なんだろう?)
すぐに民子に従い隣の部屋へ行った。
(えっ! ダレ、この男!)
男性が入ってはいけない筈の寮。民子の部屋にはニヤニヤしている中年男性が居た。
注射器を持っている。
(まさか?!)
「姉ちゃん、あんたもシャブやるか?」と男。
(やっぱり覚せい剤……)
クスクス笑いながら、蛸のような動きをしている民子が沙代里を誘った。
「最高に気持ち良いわよ?」
民子のそばへ座り、ゴクリと生つばを飲み込む沙代里。
「あたしも、やりたい」
そこから沙代里の地獄が始まる。
確かにハイになった。しかし沙代里はいつの間にか中年男性と裸で抱き合っていた。後から気色悪くなった。そして、明け方近くになると爆発的なダルさと憂鬱・倦怠感だ。翌日の仕事が辛かった。
民子はその度に「楽にしてあげる」と言っては、また男の居る自室に沙代里を呼び、同じ事を繰り返させた。いわゆる『ヅケられて』行った状態の沙代里。薬漬けにさせられて行った訳だ。
そんな異様なテンションの上がり下がりを繰り返す中、沙代里に異変が起きた。
『バッドトリップ』だ。
クスリに惚け、数時間し、風呂に入っていた。
キーンと辺りが静まり返り(バスルームに盗撮器が仕掛けられている! 盗聴器もある!)と感じる。覗かれている気配。
この妄想は留まる事を知らなかった。遂に沙代里は(殺される! つけられている! 誰かがあたしを狙っている! 殺される!)との悪魔的な疑念に取り憑かれ、仕事どころではなくなった。
そんな最悪な状況の中、初めて手錠をはめられた。民子もだった。中年男についてはわからない。
刑務所では真面目に過ごし、割と早く出所できた沙代里。
しかし被害妄想が治まらない。
沙代里は考え付いた。ハイになり続けておけばこの恐怖心から逃げられる。
それでクスリにまた手を出した。遅れて出所した民子に付きまとわれていた沙代里が、クスリを手に入れるのは簡単なことだった。
その後3度も繰り返し捕まり懲役へ行った。
出所したが、クスリの後遺症がたまらない。でもいい加減にもう捕まりたくはない。どうして良いかわからない。
沙代里は、殺されちゃいけないと被害妄想を120%信じ込み、東京から京都へと逃げた。逃げた先では、即入寮可能な風俗店へ勤めた。
そこで、信じられないようなミラクルが起こった。
京都へ引っ越した当時30歳の沙代里の挙動不審な様子を見て、親身になってくれた嬢が居たのだ。嬢といっても、彼女・直美は沙代里の10歳年上のベテラン風俗嬢だ。
「未由ちゃん」
未由は沙代里の源氏名だ。
「なんですか? 直美さん」
「あんた、病院行ったほうがええで。うちが連れてったるわ」
金髪の長い巻き毛をかき上げながら直美が言った。
未由こと沙代里の吸っているタバコを持つ指が震える。
「え、な、何で? 何の病院?」
「精神科や」
その日のピンクサロンは暇だった。昼の女の子は未由と直美だけだ。直美のはっきりとした、それでいて優しさを含んだ言葉を聞いた途端、沙代里から堰を切ったように涙が溢れ出た。
(あたしは、あたしはなんなの? あたしは未由なんかじゃない。体なんて張りたくない。あたしは沙代里だよ! あたし、逃げてきたのに怖さが止まらないっ!)
「シャブか?」
直美は言い当てた。
「……」
何も言えない沙代里。
「うちのツレでおるから知っとる。心配せんでええ。誰にも言わへん」
ところで沙代里は、その時点でも相変わらず万引きは止まっていない。でも、その時も盗みについて罪の意識がない。
『何で盗んじゃいけないのか』良くわからない。
沙代里は生まれて初めて精神科へかかった。直美が静かに付き添ってくれた。
万引きの事は一切問題視していないので「見張られているから筆談でお願いします」とドクターに、薬物が与えた苦しみについてだけを伝えた。
若い男性・小野内ドクターは、とても安心感を与える医師だった。
「なるほど。真中さん、ここは大丈夫ですよ。ただ、あなたが安心するまで筆談しましょう」と応じてくれた。
初診で沙代里は、PTSD・境界型人格障害・強迫観念などとカルテに記された。
*
「明日、精神科通院だな」とアイスクリームをムシャムシャ頬張りながら沙代里。
20年経った今では小野内先生に声を使って自分の症状を訴えるまでに、薬物の後遺症は回復している。追跡妄想を沙代里が数値で表すとする。当初が10なら今は3といったところだ。
小野内ドクターは、沙代里が拘置所に入っている際『カウンセリング』と称し、外へ連れ出してくれた。沙代里を週に一度は拘置所から病院へ連れて行き、外の空気を吸わせてくれた。
独居房は心の病を持つ沙代里にとって、他者に気疲れせずに済むというメリットがあるが、音も何にもない所で長時間一人きりでひたすら『反省だけをしなければならない』ので、イライラがジリジリと押し寄せてきておかしくなりそうになる。それでも他者に気を遣う雑居房よりはましだが。
拘置所では6時半起床。布団をたたむ。そして朝食を7時に食べ終わる。
7時~お昼12時まではつまんない独りぼっちの反省会だ。イライラする中沙代里は思った。
(あたしまた、刑務所へ行くのかな……)
3月初旬。第1回公判を迎えた。
その時沙代里はびっくりした事があった。
東京の裁判ではこんな事がなかった。
(え?! 万引きの裁判でこんなに?)
沙代里が振り返ると、物凄い数の傍聴人がいたのだ。今でもその理由は謎だ。
裁判の前、国選弁護士からは「落ち着いて冷静に答えるように。素直に事実だけを受け入れるように」とアドバイスされていた。
思いのほかたくさんの傍聴人がいる中(あたし、旨く受け答えできるかな)と沙代里は緊張した。
裁判官が事件の詳細を述べる。
盗みを悪い事とも思えない沙代里は、述べられたって罪の意識を感じ得ない。もう一人の自分が自分を見、その事を不思議がっているのが救いか?
「間違いないですか?」と、裁判官の口から聴こえてきた。
その通りだったので沙代里は「はい、間違いありません」と答えた。
検察官が次に言った。
「更生への道よりも、クスリの威力のほうが大きいですか?」
ムカッとするが、相手は検察官だ。沙代里はそういうものだと流れを知らないでもない。
「そんな事はありません」
弁護士も言う。
「真中さんは改善の余地があります。真中さんは、盗癖を持ち苦しむ仲間のグループミーティングへ通うと話しています。真中さん、あなたはグループミーティングへ行くつもりですか?」
沙代里ははっきりと答えた。
「はい。行きます」
懲役を免れるためにはそう言うしかないではないか。
*
第2回公判は4月中旬だった。
それまで、いつも通りに6時半に起床し、7時までには朝食を済ませる。
夜の入浴時間も長くは取られていない拘置所のスケジュール。刑務所暮らしを何度もしている沙代里にはおなじみの生活である。
第2回公判当日の朝、いきなり刑務官が部屋に入って来た。
「真中、ある物全部鞄に詰めといて」
歯ブラシやコップ、石鹸など沙代里の私物の事を言っている。
沙代里はハッとした。
(釈放だな)
それはこれまでの経験上分かった。公判後にもし刑務所行きが決まるなら、再度拘置所にいる必要性があるのだ。
第2回公判の為外へ連れ出された際、沙代里は……満開の京都の桜に心奪われた。
桃色と桃色でおしゃべりし合うかのようにトンネルをつくる花々に息を飲んだその時……なぜだか涙がこぼれた。
自分でも良くわからない。(やった! 帰れる!)という喜びの涙ではなかった。
実は沙代里、盗癖と薬物依存に呆れられ、夫に離婚を申し渡された経験を持つ。
東京にいた頃だ。2度目と3度目の懲役の間に電撃結婚していた。相手はフツーの会社員だった。
夫と見た目黒川の桜が美しかった。とても。
「被告人は前に」
裁判官が述べる。
「主文、被告人は懲役一年、執行猶予三年とする」
(帰れる!)
これは刑務執行が猶予されたという意味だ。
3年間罪を犯さなければ、刑務所行きにはならないという意味。しかし罪を犯せば直ちに懲役なのだ。
*
沙代里は、お金がないから盗む。
しかし、お金があればあるだけ全部使ってしまう。
つまり、お金はどのみちなくなり盗む。
今は捕まりたくない思いだけが彼女をありふれた日常に繋ぎ止める。
(あたしは……満たされるということを知らないのかな。満たされた記憶が無いのかなぁ)
優しい夫との結婚生活の間にも、市販薬のオーバードーズと万引きを辞められなかった。辞めようと思ったことも無い。
今沙代里が飽きずにスプーンを舐めながら食べているアイスクリームは、盗んで来た物ではない。お金を払って買った。
沙代里は母を愛している。あんなに毎日殴られたのに。もうおばあさんだから殴って来ない。
むごいよね。
グラスに水を入れれば、簡単にいっぱいになり、溢れるのに……月は決まってお行儀よく欠けようが、ふっくらと満ちるのに……海だって潮が引こうとも、また満つ。
無花果は夏から秋へとたわわに実をつける。漢字はこうだが、美しい花さえつけるのに、だ。
それなのに。
沙代里は満タンじゃないのか?
それともいっぱいいっぱいなのか。
もしくはあるがままの姿なのか?
沙代里がアイスクリームを食べ終えた。
ピンクの口紅を丁寧に塗り直し、嬉しそうにドアを開け出て行った。
※ この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
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朗読劇「ショコラルド・ボンクランド・フールプルーフ」
花緒様の「読みにくい朗読劇台本」投稿作品でございます
登場人物
男A:博愛主義の殺人鬼 → 殺人鬼
女A:乱暴狼藉な神父 → 神父
男B:狂妄愚劣なチョコレート売りのタカハシ → タカハシ
❝本文❞
【lamentabile=嘆くように。悲しげに。】
殺人鬼「神父様! 神父様はおいででございますか!? 狂暴粗暴、芥の殉教者よ。私は恐ろしい悪事を生ごみに映る屍のアルフレッドのぬめっとした胡瓜ののべつ幕なしに断罪を第四脳髄主心房に申しますし、候」
―――刃物を持って殺人鬼登場
【con fuoco=火のように、激しく。】
神父「ラヴィット! パルコの算数的のゴミのような黒いサバスよ。トライトーンで勅を抉りし、愛まゆまゆしい子羊よ! 貴様はどのような罪を瑞々しい毒藻に落とし込み、このアルカロイドに踏み込み、シュルレアリスムリムステルをゲロるおつもりであらん事かファッキュー」
―――神父登場。神父が殺人鬼を殴りつける。音≪ゴツッ≫
【Grandioso=壮大な、堂々と。】
殺人鬼「私めはただGSPセルロイドに甘夏をマリネした異邦論患者になりたかっただけでございます。
夜のM84スタングレネードでショコラトルを味わいたかったアジテーション・オルガスムスに発展したので万歳。
白虎隊の娘はヒューマンエラーを愛撫すること素数階乗ワン・フォー・ナイン・ゲット!
この腕は愛してしまったのでございます。この精悍の源は両椀に掛けてしまったのです。商材なのに! 慈しみ好きだったのに」
―――両手を繋いで天に向かい涙を流す。音≪ポロロン≫
【energico=精力的に、力強く。】
神父「逝け! 生者ご愛敬アホダラ教め! 約定は黒橄欖、基、チュニジアにある唐変木念人、生娘に手を掛けた、お前のひょっぺぇどをアルゴリズムエピックに啼け! 恐惶にラオス共和国を今日中に吃驚タイプライター!
デジタルチョコレートに感服のアメあられ! あすなろアイバニーズ、祈れ! ペーパーに!」
―――天に両手を広げ、光芒が神父に流る。音≪シャラララン≫
【singhiozzando=すすり泣くように。】
殺人鬼「おおっ! モハメドアリ! 私のお手々、どうぞ!」
―――跪き咽び泣く≪殺人鬼の叫び≫
【vivo=活発に、活き活きとした。】
タカハシ「ヘイ! ユールストロームダイアグラム! カレ・ド・ショコラ」
―――自信満々にタカハシ登場。客席≪ヴィーヴォ!≫
【Subito=突然に、直ちに。】
神父「タカハシ!」
殺人鬼「タカハシ!」
―――二人掛け声を合わせて
【grazioso=優雅に、上品に。】
タカハシ「お二人。恋の幕。静寂のムニエル。籾初心のアンブロルドが過ぎ去った淡い愛に神は宿らない。
人間がAIであることは誹謗中傷の未来にある! ナポレオンはサナトフィリアになりたての三三七拍子さ」
【vivo=活発に、活き活きとした。】
殺人鬼「許されるのですか!? あの娘の当帰四逆加呉茱萸生姜湯のLimbo……。何をすればハイティーン・ブギウギの戦後第七三一部隊」
―――タカハシに縋りつく殺人鬼
【giocoso=陽気な、おどけた。】
「チョコを食べるのさ」
―――小袋からチョコを取り出す。音≪キュピーン!≫ その後、殺人鬼にチョコを渡す
【espressivo=表情豊かに、感情を込めて。】
神父「そいつはいい。マンデルブロ集合のときめく色香にエルカンターレはお許しに袈裟切り。
カスピエルに広東省がハンムラビ法典。カレイドスコープから覗くストラトキャスターなら素敵に乾杯さ、ダカポン!」
―――タカハシを殴る。音≪ゴンッ≫
【amabile=優しく、愛嬌のある。】
タカハシ「神父にも!」
―――神父にもチョコレートを渡す。音≪チョコン≫
【animato=生き生きと、活気のある。】
タカハシ「プロージット!」
―――天高くチョコを掲げる
【vivo=活発に、活き活きとした。】
殺人鬼「プロージット!」
神父「プロージット!」
―――天高くチョコを掲げる。客席≪プロージット!≫
【con anima=魂を込めて、生き生きと。】
―――暗転。スポットライトが殺人鬼に掛かる
タカハシ「愛のヘルニア。カルトナージュさ、叙述詩なんてさ。明日の心臓はショコラルド・ボンクランド・フールプルーフ」
プルトニウム-ORIGIN
治癒 https://creative-writing-space.com/view/ProductLists/product.php?id=1450 加筆増補版。
それではまず、カオスからフラクタルへと変遷する雲の動きを君が持つその二つの目を誤用しながら、2Dのロゴスのごとくとビットマップの光の集合体であり、また数値の羅列でもある000000でありffffffであるそれらを己の師として崇めつつ、そっとみまもりながら注視して見てみましょう。
黒と白にしか見えないところが多少気懸かりなのですが、ここはひとつ見切り発車してしまったほうが良いかとあの電子化されたひとりの虚無僧も述べています。行き先?静かな海に違いありません。ただ、そこから帰ってきた人はただの一人もいないとかの光子化されたふたりの素凡夫から伝え聞き申しております。
ひとまずはここ銀色に輝く幾何学的模様に覆い包まれた天球の上にいてください。でもまこと残念な事に、今ここ天球にはお茶の類はありません。一つもないのです。ひとっぱしらの汁の飛沫はおろか一本の茶柱すらもないメルカトルな銀色の天球の上へようこそ。君がこの天球の上に座している事実が今ここにある。否定したければお好きにどうぞ。
シャットダウン≠口を開くな。
ピーガガッピー~♪♪
リブート。
『詩とは心を癒すものなのか?』と、突然フォトンの彼は幾何学の道上問うた。『二次元は必要か?』とも問うた。それはもうあつかましくも。それはひとまず必要という事にしておいてくれ。それが彼のためになるはずだ。さて、その左方。あのひとりの虚無僧は『己自身に今もかつても癒しを求めたことは一度もない』と言った。芯の強い虚無僧だ。彼から少しは学べき事だよ、コスモの学びとたちよ。そして彼は、『詩には刺激という鋭利で尖ったヒエラルキーが存在しない』とも言った。言い放った。ない。無でしかない、と続けた。 同意できなければお好きにどうぞ。はい。
スリープ。
ある日の事。かのふたりの素凡夫がすと声を合わせて『音楽達にはノイズと狂騒と騒々しさいう刺激という刺激がたんまりとある。わんさかとある。それこそコプラサーにいくら吸い込まれてもけしてなくならないほどに無尽蔵にある』と、ユニゾンという手法を用いてさらりと言いのけた。でも、それが逆にふたりの素凡夫の心を一刻の狂いもなく同時に癒してしまうといった難問が浮上し遡上にあがった。逆効果。音波の波形が波打つ様。それはあまりにも悲劇的で非可逆的にすぎる話にすぎてしまう過去の話。理解に苦しみたければお好きにどうぞ。はい。はい。
妙法蓮華経。方便品。第二。
その頃。幕府の命により佐渡への流刑に処されていた日蓮大聖人が動いた。ひとりの虚無僧とふたりの素凡夫に向かってこう伝えた。『佐渡の塚原の墓地にある三昧道へ来たるべし。そなたらに『業』と『開目妙』、『観心本尊抄』の三つを授ける』と。その声をすくい取ったかの三人は流刑の地、佐渡へと向かった。向かったが、大聖人そこにははいなかった。その時、三人は無伴奏混声三部合唱はせずに、個々に悟った。『これが業だと』ふたりの素凡夫はこめかみに巻いた縄に目から落ちたうろこを丁寧に貼り付けた。ひとりの虚無僧はただただ呆然とその場にここかつては地球の端に立ち尽くした。大聖人は『立正安国論』に記した自界叛逆難および他国侵逼難を多くの人々に伝えなければならない業にあった。そのため、惜しくには三人を構う時間がなかった。業を調べたければGoogle先生にどうぞ。以何令衆生。得入無上道。速成就佛身。
妙法蓮華経。如来壽量品。第十六。
ブルー・スクリーン。
だからなんなんだ?何が言いたいんだ?好きなように言ってくれよ!重水素は愛の言葉なんだよ!知ってるか?知らなかったら今日から知れ。すぐに知れ。ここ一時に知れ。そしてすぐにその言葉を彼氏彼女に狙いを定めて重畳にも重畳に重なる重重力を突き抜けるかのような勢いで吐け。吐けまくりながらもそしてなおも続くはこの三つの問い。熱力学の第一法則か?熱力学の第二法則か?それとも熱力学の第三法則なのか?選べないのならお好きにどうぞ。はい。はい。はい。
サッドマック。
いいか、感じるな、考えろ。二度言う。 感じるな、考えろ。 お前の両肩の間からポワンと天に向け付きだしている球体はいったいなんなんだ?ガスドスドスなのか?それともプシコスドスなのか?違う?だとしたら、それはもしや中身が空っぽなボーリングの玉か?だとしたら、三つ指を入れるサムホールは、ここと、ここと…ここか? 答えに窮するのならお好きにどうぞ。はい。はい。はい。はい。
グル・メディケーション。
君の答えを教えてほしい。それこそ夜空に瞬く星のごとく答えはある。さあ、言ってごらん。君にならならできるはずだよ。 拒みたければお好きにどうぞ。ハイ。ハイ。ハイ。ハイ。ハイ。
朝目が覚めたら君はまずナニヲスル?
ピーガガッピーピーピー~♪♪
すわ、オマエタチ、好きなだけ耳朶刻み打ち付けるが良い。そして、聞いて驚きなさいよ、
『高度な残念さにむせび泣くがいい』by 虚無僧
『なお絶え間なく悶え苦しむがいい』by 素凡夫
『今生の無念だろう?』 by 虚無僧
『来生の救世だろう?』 by 救世主
『震え上がりなさいよ』by(null)
『恐れおのきなさいよ』by(unknown)
1日が72時間だった頃を思う。
今のように1日が45分では通勤に1日以上かかってしまう@hirasawa
https://note.com/userunknown/n/ne21fc1d77680
放課後の涙
雨が止んでは
あなたと歩く
私は想ってる
友達のまんまね
雫が光って
心が滲んで
あなたが手を振る
私も同じく
教室 暗くなる
見つめるあなたを
音もない 時間
口づけの流れ
滴る涙に
言葉を添えてく
八月のあなたに
言いたくてこんなにも
°C
雨の中には、神様の唾液が混じっている。
それに当たった奴だけが、℃を支配できる。
地球上の温度を100℃にしたり、
0℃にしたりを、1秒ごとに繰り返して、
氷河期と温暖化を混ぜあわせた時、
地球は人肌と同じ温度に代わる。
空を売ってる自販機で、青空と雨雲を買った。
それを同時に、空に浮かべて、狐の嫁入り発生させる。
「雨粒の一個一個が、飛び降り自殺者なんだってさ」
乳歯から永久歯に生え変わるみたいに、
人が死ぬのは、もっと強い何かに、生まれ変わるため。
飛び降り自殺した瞬間、私は生まれ変わって、
君が落とした涙になって、2回連続、
地面に衝突して死んだ後、
神様が私を、一分間だけ生き返らせてくれて、
おでこに生えた触覚、ぶち抜いたら、
世界が真っ暗になって、真っ直ぐに飛べない。
この世界は、誰かがオーダーメイドで作った世界。
だから、私には合わないみたい。
神様は一人じゃない。
とても一人で背負い切れる、業務内容じゃない。
地球上の人口と同じ数だけ居て、
一分交代で変わってるらしい。