自作の和語自由詩をAIにて漢詩(七言古詩)化。
AIにて推敲を重ね、書き下し、詩的和訳を生成。
私的内省と自然との交歓な原詩が漢詩化の過程でAIがどの様に中華の思想に対応し変換したか、その辺を観賞頂ければ幸いです。
AIを使う事の是非には趣味や学術の階層、業種によって様々な考え方がある事は承知の上で、今この様な事が新たに出来るようになった、これらの技術はどう社会の可能性を広げるだろうか、その様な事を一表現に関わる人間としてあれこれと思いを巡らしている次第。
なおわたし自身は漢文の専門家でも専門教育を受けた人でもありません。高校の漢文、古典レベルです。
橋端氣記・七章七言古詩
第一章 風起
風撼幽林動我髮
白紗如花舞逐風
微寒一触侵頸過
露是霜非難可分
第二章 識身
抚微胸而識輪迹
温脈深沈似木理
忽悟斯身唯是我
静心如月照霜塵
第三章 巡禮
指行羅紗如探境
草軟石寒皆入聽
地氣幽微帰掌底
一身一界互相応
第四章 萌疼
微疼胸奥生如籽
潜熱開殻無其比
無声震息誰能察
万象初萌臨此址
第五章 陽動
下腹微陽如曙照
融氷沃土春声至
呼吸往来風与我
森心相答寂無兆
第六章 滴返
温滴穿羅落古株
如雨濡塵似樹液
森受風伝還抱土
万環終処在心隅
第七章 界融
風触我身我触風
土支我歩我知土
非奪非与唯交会
界線成波化為融
ーーー
橋端氣記・七章七言古詩
【書き下し文】
第一章 風起
風は幽林を撼かして我が髮を動かし、
白紗は花の如くして風を逐いて舞う。
微寒の一触、頸を侵して過ぎ、
露か霜か、分かち難し。
第二章 識身
微かなる胸を撫でて輪の迹を識り、
温脈深く沈みて木理に似たり。
忽ち悟る、斯の身は唯だ是れ我なりと、
静心、月の霜塵を照らすが如し。
第三章 巡禮
指は羅紗を行きて境を探るが如く、
草の軟らかきも石の寒きも皆聴に入る。
地気幽微にして掌底に帰し、
一身一界、互いに相応ず。
第四章 萌疼
微疼、胸奥に生ずること籽の如し、
潜熱、殻を開きて其の比無し。
無声の震息、誰か能く察せん、
万象初めて萌し、此の址に臨む。
第五章 陽動
下腹の微陽、曙照の如く、
氷を融かし土を沃して春声至る。
呼吸往来、風と我と、
森心相答えて兆寂として無し。
第六章 滴返
温滴、羅を穿ちて古株に落ち、
雨の塵を濡らすが如く樹液に似たり。
森は風を受け伝えて還りて土を抱き、
万環終に処して心隅に在り。
第七章 界融
風我が身に触れ、我風に触れ、
土我が歩を支え、我土を知る。
奪うに非ず与うるに非ず、唯交会す、
界線波を成して融けて化す。
ーーー
【和訳(詩的意訳)】
第一章 風起
風が暗い森を揺らし、私の髪をそよがせる。白い布は花びらのように、風に誘われて舞っている。ひんやりとした冷気がひと筋、首筋をかすめて過ぎてゆく。それが露なのか霜なのか、もはや見分けがつかない。
第二章 識身
胸にそっと手を当てると、そこに巡る脈の輪郭が感じられる。深く静かに流れるその温もりは、まるで木の年輪のよう。ふと悟る――この身体は、たしかに私だけのものなのだと。澄んだ心は、月明かりが霜を照らすように、静かに自分を映し出している。
第三章 巡禮
指先が布の上を滑るように動く。それはまるで小さな旅人が境界を探るかのよう。草の柔らかさ、石の冷たさ――すべてが耳を澄ますように手に届く。大地の気配が静かに掌へと還ってくる。ひとつの身体、ひとつの世界が、互いに呼応している。
第四章 萌疼
胸の奥に、種のような小さな疼きが芽生える。内に秘めた熱が殻を破り、比べようのない衝動となって広がってゆく。誰にも聞こえない、震える息づかい。万物の気配が、今まさにこの場所で芽吹こうとしている。
第五章 陽動
下腹にほのかな陽の気が生まれ、夜明けの光のように広がってゆく。氷を溶かし、土を潤し、春の訪れを告げている。呼吸が行き来し、風と私が交わり合う。森のような深い心が静かに応え、まだ形なき予兆だけが漂っている。
第六章 滴返
温かな滴が布を通り抜け、古い切り株へと落ちてゆく。それは雨のように土を濡らし、樹液のようにしっとりとしている。森は風を受けとめ、それを土へと返しながら抱きしめる。めぐりめぐった万物の環は、やがて心の片隅へと還ってゆく。
第七章 界融
風が私に触れ、私もまた風に触れる。土が私の歩みを支え、私は土を知る。奪うのでもなく、与えるのでもなく、ただ交わり合うだけ。境界線は波となってゆらぎ、やがて溶け合い、ひとつに融けてゆく。
ーーー
原詩 和語自由詩
橋の両端にて
風は、
森の枝を揺らし、
時に激しく、
時に優しく、
わたしの髪も、
同じように揺らした。
白い布は、
花びらのように舞い、
次の瞬間、
突風に煽られて、
膝の上で跳ねる。
ひやりとした指先の感覚が、
首筋に触れる。
それは、
夜露か、
霜か、
ひとしずくの季節か、
判別できない。
胸の小さなふくらみに、
自分の手が触れる。
それは、
木の幹に掌を置き、
その年輪の深みと、
かすかな温を、
そっと確かめるように。
そのとき、わたしは
「これは、わたしなのだ」と、
初めて静かに知る。
風が裾を揺らすとき、
太腿は、
月光に晒される。
それは、
森の白い岩が、
雲の切れ間から、
ふいに光を受けるよう。
指が、
布の上から
ゆっくりと動く。
それは、
大地に触れ、
土の湿りを探り、
草の柔らかさを撫で、
石の冷えを知る、
ひとつの巡礼。
胸の奥で、
かすかな疼きが芽ばえる。
それは、
種子が殻の内側で、
静かに膨らみ、
世界へ向けて
ひそかに震えるあの瞬間。
下腹のあたりに、
小さな熱が灯る。
それは、
地平から昇った朝日が、
凍った大地を
ゆっくりと溶かしていく
あの温もり。
風は、
わたしの吐息を受け取り、
森は、
応えるように木々を揺らす。
わたしが息を吸うと、
風が吹き込み、
わたしが息を吐くと、
風は森へ還る。
呼吸は、
森とわたしの間に
往復する微かな橋となる。
やがて、胸の奥から
ひとつの波が訪れる。
それは、
川の水が
岩を越え、
土を潤し、
根を抱き、
やがて海へと流れこむ
大いなる循環の感覚。
温かな滴が、
布を通して
切り株に落ちる。
一滴、
二滴。
それは、
雨が土を濡らし、
樹液が幹を伝い、
泉が石を照らす
自然の営み。
森は、
それを受け取り、
風は、
それを運び、
土は、
それを抱く。
わたしは、
森の一部として、
風に身をゆだね、
そっと微笑む。
森の呼吸が、
わたしの呼吸になり、
わたしの呼吸が、
森の呼吸になる。
風がわたしに触れ、
わたしが風に触れる。
土がわたしを支え、
わたしが土を感じる。
それは、
与えることでもなく、
奪うことでもなく、
ただ、
交わること。
朝が来れば、
朝露がわたしを濡らし、
夜が来れば、
月光がわたしを照らす。
風は、
わたしの名を
葉擦れの音にして運び、
わたしは、
風の声を
自分の吐息に乗せる。
嵐も、
凪も、
熱も、
冷たさも、
すべてが、
わたしを通り、
わたしが、
すべてを通る。
―故に
その境界は
波となって揺らぎ
粒となって浸み込むのだ。
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