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2021/01/01 12:00:00

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月蝕の森

わたしの躰は、  
夜の森の奥で 、
ひとつの湿った葉となり、
静かに開いていた。

胸は胸としてではなく、  
月の光を受ける 、
小さな水面。
その震えは 、
わたしがわたしを解き放つ 、
最初の波。

茂みは茂みとしてではなく、  
森の呼吸が集まる 、
柔らかな影。
その影は 、
わたしの奥に沈んでいた 、
古い境界。

そこへ、  
わたしではない、
もう一つの、
閉じた月。



その胸は、
ただの胸でなく、  
森に押され寄せてくる  
もうひとつの波。

その息は、
ただの息ではなく、  
わたしの水面に触れて  
形を変える  
小さな風。

わたしは、
その月に触れられることで  
開かれるのではない。

わたしがわたしを開いた場所に、  
その波が触れ、  
その触れた部分だけ、
わたしの形が変わる。

それもまた、  
わたしの波に触れられることで  
自分の形を変える。

二つの躰は、
二つの現象として、
互いの輪郭を揺らし合い、  
触れたところから  
新しい波紋が生まれる。

胸と胸が触れるとき
それは、  
躰と躰の接触ではなく、  
二つの月が、
互いの光を、
分け合う瞬間。

茂みと息が触れるとき
それは、
羞恥ではなく、
森の奥で  
風が草を揺らす  
あの静かな音。

わたしたちは  
躰を重ねたのではない。

躰が持つ
湿度と光と影が
互いの中へ
流れ込み、
溶け合い、
波となり、
また離れ、
また重なる
その循環の中で


  ――蝕を迎える――


「足りない身体」ではない。


「満たす身体」ではない。


わたしたちは
ただ
二つの波。


解放し、
その重なりの中で、
新しい波を
月に放ち、
新しい風を
森に返し、
新しい雫を
土に解かすのだ。
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 今浪悠太

 2026/01/07 02:06

ちゃんと書くという作者の生真面目さが伝わります
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